お盆の風物詩「平戸のジャンガラ」 コロナで奉納見送りも住民に披露

3日間の練習成果を住民に披露した「津吉自安我楽」お披露目会=平戸市、津吉交流会館

 国指定重要無形民俗文化財「平戸のジャンガラ」を受け継ぐ長崎県平戸市内9地区の保存会は、新型コロナウイルス感染予防のため、今夏の奉納見送りを決めた。昨年に続き2年連続。市南部の津吉地区では、伝統を途絶えさせないようにと、7月末に合同練習会を開いて住民にお披露目した。
 同市によると、ジャンガラは雨乞いと豊作を願う農耕行事が由来とされ、江戸時代までは、旧暦7月18日に各地区のジャンガラが平戸城内で奉納されていた。現在は盆の時期の前後に9地区で実施されている。
 同市南部の市民団体、津吉地区まちづくり運営協議会と「津吉自安我楽(ジャンガラ)保存会」は披露だけでなく、練習もしなければ地区の伝統が途絶える恐れがあるとして、7月28日から3日間、合同でジャンガラの練習を実施。社会人を含めた10代の有志18人が2時間、基本動作などの再確認に取り組んだ。
 同協議会は練習最終日の同30日夕、同市津吉町の津吉交流会館で「津吉自安我楽」のお披露目会を開催。3日間の練習に参加した18人が、かねと太鼓の演奏、舞を披露し、見守った住民から大きな拍手を受けた。
 日高然さん(16)=県立猶興館高校1年=は「短い期間だったけど、コロナ禍の状況でも練習と披露ができてよかった。いい経験になった」と充実した表情を見せた

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