和船の速さ競う 長崎県上対馬高 舟グロー大会

懸命に櫓をこぎ、速さを競い合う生徒たち=対馬市、大河内湾

 長崎県対馬市上対馬町の県立上対馬高(永田芳弘校長、93人)は18日、同町の大河内湾で櫓(ろ)こぎの和船の速さを競い合う舟グロー大会を開いた。地域の伝統文化継承などを目的に開き22回目。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止したため2年ぶりの開催となった。
 「舟くらべ」という言葉が転じたとされる舟グローは、こぎ手14人、船首で気勢を上げる「采(あや)切り」、拍子木でリズムを取る「手(て)木(ぎ)」の計16人が約10メートルの和船に乗り込んで速さを競う。生徒たちは地元の「舟グロー保存会」の指導を受けて本番に臨んだ。
 大会は学級ごとに分かれる「クラス対抗戦」や、地域住民らも参加する「地域・保護者・職員対抗戦」を開催。約50メートルの直線コースで速さを競った。各チームは「よいしょ、よいしょ」と声を合わせながら、懸命に櫓をこいでいた。
 クラス対抗戦で優勝した1年B組の学級委員、城崎大夢(ひろむ)さん(15)は「最初は皆ばらばらだったが、練習で息が合って速くなった。クラスが一つになって声を出し、雰囲気良くこぐことができた」と勝因を話していた。

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