「上越火力線」工事を公開 11月完成目指し着々 安全、コロナ対策を徹底 東北電力ネットワーク

 東北電力(本店・仙台市)が来年12月の営業運転開始を目指し上越市八千浦で建設を進める東北電力上越火力発電所について、送配電会社の東北電力ネットワーク(本社・仙台市)は3日、同発電所から東上越変電所(頸城区)までの送電ルート「上越火力線」の工事状況を報道陣に公開した。7月31日現在の進捗率は84・7%。11月の完成を目指す。

11月の完成を目指し、鉄塔の上では送電線の接続作業が続いた

 送電線工事は2019年10月にスタート。発電した電力は地中のケーブルを通り国道8号を通過し、同市夷浜新田の国道脇から地上に出る。こう長(送電線が地上に出た地点から変電所までの水平距離)は8・1キロ。その間25基の鉄塔が中継する。同社によると地中ケーブルの敷設は7月に終了した。

 3日は同市夷浜新田に立てられた鉄塔で、作業員が電線同士を接続する作業が行われた。高さ約50メートルの鉄塔に10人ほどの作業員が上り、手作業で電線を接続した。

 同社送変電建設センター上越工事所の後藤篤志所長は「安全対策の基本ルールを徹底し作業を行っている。作業員は近隣で確保できず遠方からも来てもらっている。新型コロナ対策も徹底し、今のところ感染者は出ていない。作業の安全を徹底し完成を目指す」と話した。

◇防風・防雪にも配慮

 送電線が通過する地域は冬季、強風や雪に見舞われるため、風への対策や着雪した雪の落下対策が問題となる。同社は送電線の通過ルートを極力住家から遠ざけた他、鉄塔1層当たり1本張る電線を2本にし、電線に着雪しても大きな塊にならないようにするなどの対策を施した。

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