東京五輪・野球準決勝の韓国戦(横浜)9回に4番手として登板した栗原良吏投手(25=広島)は1回を無安打1四球無失点。侍の守護神として熱戦を締め、大会2セーブ目を挙げた。
5―2と勝ち越しに成功した直後のマウンド。先頭打者・呉智煥への四球と自身の暴投で無死二塁としたが、若き鯉の守護神はそこから圧巻のギアチェンジを披露。後続を三ゴロ、空振り三振、二ゴロに打ち取り、韓国打線の反攻の芽を無慈悲に摘み取った。
「(8回に)3点を取ってもらえたので心にも余裕ができました。(四球を出した直後に)坂本さんや甲斐さんが『焦らずに一つずついこう』声をかけて下さった。皆のおかげでいつも通り落ち着いて投げることができました」と白い歯を見せた。
侍マウンドでのクローザー姿も板についてきた。「こんなにいいピッチャーがたくさんいる中で、自分が9回のマウンドに上げさせてもらっていることには感謝しなければと。1個でも多くのアウトを取ろうと思ってマウンドに上がっています。次勝てば金メダル。あと一勝。自分の力を出せる限り出したい」とした若き右腕は、完全燃焼を誓った。