「直江津モデル見せて」 良品計画・金井政明会長 前日祭でビジョン語る

 直江津に無印良品直江津を出店し1年を経過した良品計画の金井政明代表取締役会長は、7月31日の「なおえつ うみまちアート」の前日祭オープニングセレモニーに出席。実行委員会顧問の立場であいさつし、現況報告やアート展支援の思い、直江津の挑戦を将来のビジョンに重ねる経営展開の意味と方向性を語った。

あいさつする金井会長

 1年たった現況については「業績を含めて想定外」と紹介。出店をめぐる社内の議論を「口をそろえて反対した物件」だったことを振り返り、地元リーダーの思いの他、商店街を守ろうとする強い意志に共感させられ、地元の伊藤製飴所店主が期待感から掲示してくれた手書きのポスターが「社内の空気を変えてくれた」と感謝した。

 アート展支援の動機では、東京都現代美術館で鑑賞した現代アートの作品を「直江津の子どもたちに見せたいと思った」とし、関係者の協力で実現したことを喜んだ。

 その上で「直江津の成功が社内全体の可能性を見せてくれた」と説明。「無謀と言われた直江津の出店のおかげで新しい『無印』の世界が見えてきた」とも続け、10年後の世界連結の売り上げを6倍にする構想を描いてみせた。

 解説した直江津ビジョンは「そこに海がある素晴らしい生活環境に、祇園祭もある文化があり、経済と環境と新しい文化を地域の皆さんが支えるモデル」と整理。「直江津の皆さんがモデルをつくるのを見せてほしい。われわれもそこに巻き込まれたい」と話していた。

© 株式会社上越タイムス社