令和3年上半期 火災が過去10年最多 上越地域消防局 大雪での救助増加

 上越地域消防局は令和3年上半期の管内の火災・救急・救助の概況をまとめた。それによると、火災件数は過去10年で最も多かった一方、損害額は過去10年で2番目に少なかった。また、新型コロナ等の影響で減少した救急出動件数は、影響前の水準に戻った。

 火災件数は35件で、平成27年を1件上回り過去最多。このうち建物火災が21件(前年より7件増)で、住宅火災は11件(同2件増)。月別では3、4月に約半分を占める17件が発生。出火原因はたばこと電気関係が5件で最も多く、次いでたき火・火入れが4件、放火が3件だった。

 火災による死者は2人で、いずれも建物火災で発生。負傷者は6人。損害額は6000万円で、1件当たり170万円と、平成28年に次いで少なかった。

 救急出動件数は4548件で、昨年より399件増加、搬送人員は4331人で、昨年より362人増加した。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外出自粛やマスク着用徹底など、市民の健康管理が影響した昨年より、コロナ禍前の令和元年並みに戻った。

 出動件数のうち、急病が2817件で最多、次いで一般負傷が793件、交通事故が157件。搬送人員のうち、高齢者が3121人で全体の70・7%を占めた。軽症者は1822人で、平成29年から全体の45%前後で推移していることから、救急車の適正利用へ協力を呼び掛けている。

 救助出動件数は27件で、昨年より16件増加。このうち活動件数は19件で、昨年より15件増加した。特に大雪に伴う「自然災害」が7件と多かった。救助人員は20人で昨年より15人増加した。

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