UFCとWWEで争奪戦も レスリング最重量級金メダリストの米国代表スティーブソンは超逸材

勝利の瞬間、ガッツポーズするスティーブソン(ロイター)

東京五輪レスリング男子フリースタイル125キロ級で金メダルを獲得した米国代表ガブレダン・スティーブソン(21)の超逸材ぶりが注目を集めている。

スティーブソンは6日の決勝戦でゲノ・ペトリアシビリ(ジョージア)から試合時間残り1秒でバックを取る劇的大逆転を収めて金メダルを獲得。最重量級で最強の男となった。

注目すべきは驚異の身体能力とショーマンシップだ。優勝が決まった直後のマット上で、スティーブソンはロンダートからのバク宙で喜びを表現した。常識的に考えて125キロの巨体でできるパフォーマンスではない。ちなみにこのムーブでリング上から場外へと飛んでいくと超高難易度のプロレス技〝サスケスペシャル〟となるのだが…。

スティーブソンは総合格闘技の世界最高峰「UFC」に挑戦する意思があると言われている。必然的に未来のUFC王者として期待が高まっている一方、プロレス入りを望む声も少なくない。実際にスティーブソンはWWEへの憧れも口にしており、今年4月にはWWEのNXT「テイクオーバー」に登場。ステファニー・マクマホンの隣に座り、大会後にはローマン・レインズ、ポール・ヘイマンと一緒に写った写真が公開されている。

果たしてスティーブソンが進むのはUFCか、WWEか。どちらにとっても喉から手が出るほど欲しい存在であることは間違いなく、ダナ・ホワイトとビンス・マクマホンによる争奪戦が繰り広げられてもおかしくない。UFCとWWEの両方で頂点を極めたブロック・レスナー以来の超逸材と言っていいだろう。

ちなみにスティーブソンはミネソタ大学の先輩にあたるレスナーのことを尊敬しており、一緒に練習を行ったこともある。そのレスナーでさえも五輪出場経験はない。五輪金メダル、UFC王者、WWE王者という夢の〝トリプルクラウン〟の可能性を秘めるスティーブソンは、まさに「100年に1人の逸材」なのかもしれない。

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