被爆者証言 紙芝居で伝える 長崎の漫画家・西岡さん

被爆者の体験を語る西岡さん=長崎市、浦上キリシタン資料館

 長崎県長崎市在住の漫画家、西岡由香さん(56)が7日、被爆者の体験を描いた紙芝居を長崎市平和町の浦上キリシタン資料館で上演した。被爆者の末永浩さんや4月に亡くなった小崎登明さんの証言を、集まった市民ら約30人に伝えた。
 市民団体「アジェンダNOVAながさき」が主催。西岡さんは、被爆者らでつくる「紙しばい会」から依頼を受け、2014年から被爆体験の紙芝居を作成。これまで6人の体験を漫画にした。
 西岡さんは紙芝居で、8月9日の惨事だけでなく被爆前やその後の生活も紹介。カトリック修道士だった小崎さんの紙芝居では「平和の原点は人の痛みがわかる心を持つこと」と生前の声を伝えた。
 西岡さんは漫画を描く中で被爆後の風景には直線がないことに気付いたとし、「原爆は全てをこっぱみじんにする。描くことで原爆を知ることができる」と話した。

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