ダニ・ペドロサ「トップ10に入れて良かった」転倒赤旗後、雨用セッティングの2台目でポイント獲得/MotoGP第10戦スティリアGP

 8月9日、オーストリアのレッドブル・リンクで行われた2021年MotoGP第10戦スティリアGP MotoGPクラスの決勝で、ワイルドカード参戦したダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は10位入賞を果たした。

 ペドロサは、2001年から2018年までロードレース世界選手権に参戦していたMotoGPレジェンドライダーだ。現役時代はすべてホンダのマシンに乗り、レプソル・ホンダ・チームから参戦したMotoGPクラスでは、13年間で31勝を含む112度の表彰台を獲得した。

 現役引退後の2019年からはKTMのテストライダーに就任しており、KTM RC16の開発を担当。そんなペドロサは今大会でKTMのテストライダーとして初めてワイルドカードで参戦した。

 レース参戦の主な目的はテストとなり、レギュラー陣とは少しパーツなどが異なるマシンの2022年に向けた開発バージョンに乗り、予選は14番手を獲得した。

KTM RC16を駆るダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

 レースは14番手グリッドからスタートを切り、13番手に浮上してKTM勢トップの位置につけ、2周目には12番手に上げた。3周目は3コーナーで転倒を喫してしまい、そこにロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が追突してマシンが炎上。赤旗が掲示され、レースは27周で再スタートされることとなった。

 再開されたレースでは、ウエット用にセッティングされていたTカー(2台目のバイク)に乗り換え、1周目に15番手に落ちると、5周目までその順位を維持。6周目にはひとつポジションを上げ、14周目に13番手、16周目に12番手、そして18周目に11番手まで浮上させてKTMでは2番手でフィニッシュした。

KTM RC16を駆るダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

 レース後には9位フィニッシュのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が3秒ペナルティを科され、ペドロサは10位となった。

 ロードレース世界選手権の全クラスで4162ポイント、レプソル・ホンダ・チームから参戦したMotoGPクラスで2970ポイントを獲得して現役を引退したペドロサは、KTMから出場した今大会で6ポイントを稼ぎ、通算4168ポイント、MotoGPクラスで2976ポイントと戦績を伸ばした。

ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

「いい結果だと思うし、この週末の結果と学んだことにも満足している。最初のレースではうまく乗れていたのに、なぜかわからないが、低速の3コーナーでフロントを失ってしまった。あまりにもスローな場所だから、僕はコースの真ん中に止まり、サバドーリが(僕の)バイクにぶつかってしまった」

「僕たちはそこでかなりの混乱を引き起こしてしまった。彼が大丈夫だといいけど……。2台目のマシンはウエット用にセッティングされていたから、少しトリッキーだったが、変更を加えることができ、再スタート時には『よし、完走を目指そう』と思ったんだ」

「序盤は落ち着いて、もっと慎重に走り、あまりプッシュしなかったので、大きく順位を落としてしまった。コースとマシンのフィーリングがつかめてくると、もっとプッシュできるようになり、周りのライダーがミスをするたびにポジションを上げていったよ」

「集団に近づいていって、タイヤの動きを感じることができて面白かったよ。テストとは違うが、週末の練習で感じていたことと同じだ。トップ10に入ることができて良かったね」

「KTMとメカニックのみんなに感謝しているよ。少しの時間だったけど彼らは素晴らしい仕事をしてくれた。ファンのみんなにも感謝するよ。レースを楽しんでくれていればいいね」

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