「一の鳥居」寄付金で再建 台風で倒壊 対馬・和多都美神社 

再建された和多都美神社の「一の鳥居」=対馬市豊玉町

 昨年の台風被害で倒壊した、対馬市豊玉町仁位の和多都美(わたづみ)神社「一の鳥居」が再建された。現地で8日に落成祭があり、関係者が新たな鳥居の建立を祝った。
 対馬中部の浅茅湾最奥部にある同神社は、日本神話に登場する「彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)」と「豊玉姫命(とよたまひめのみこと)」をまつっている。5本の鳥居のうち2本が海中に立ち、観光名所として知られている。
 一の鳥居は本殿から250メートルほど離れた場所にあり最も海側にある。1989年に元号が平成になったことを記念して建立された。しかし昨年9月上旬に本県に最接近し、県内で甚大な被害をもたらした台風10号によって倒壊していた。
 同神社は一般寄付やクラウドファンディングによって島内外から集まった寄付金を再建資金に充てた。新しい鳥居の大きさは、倒壊したものと同じ高さ約4.2メートル、幅3.5メートル。素材は御影石を使った。
 本殿で開催された落成祭には関係者約50人が参列した。神職が祝詞を上げ、参列者が玉串をささげて再建を祝った。鳥居の「地盤を固める」との願いを込め、国重要無形文化財「壱岐神楽」の演目「神相撲」も奉納された。
 平山静喜宮司は「島内外の皆さんのおかげで鳥居が完成し、ありがたい。ぜひ皆さんに新しい鳥居を見てもらいたい」と話した。

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