新型コロナ SARS相当から季節性インフル並みへ? “ダウングレード”のメリットと不安

厚生労働省

国内で10日、新たに1万574人の新型コロナウイルス感染者が確認された。東京2612人、神奈川1572人、埼玉1166人、千葉860人、大阪697人など。死者は神奈川5人、東京3人など計19人が報告された。厚生労働省によると、重症者は前日から40人増えて1230人だった。

そんな中、新型コロナウイルスの感染症法上の運用について、厚生労働省が現在の2類相当から5類相当へのダウングレードに着手していることが報じられた。

新型コロナは現在、症状がない人も含めた入院勧告や就業制限、濃厚接触者や感染経路の調査などの対応が必要となる2類相当に分類されている。

厚生労働省によると、2類は「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるもの」で結核やジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)などが該当する。

これを季節性インフルエンザ並みの5類に下げることで、保健所を通さずに治療を受けられ、発症から治療までのタイムラグがなくなる。インフルエンザでは毎年1万人ほどが亡くなっているが、“医療崩壊”になったことはない。コロナ対応をしている医療機関の負担が大幅に減るなどのメリットがある。

実際、すでに医療崩壊は現実だ。医療関係者は「指定医療機関でコロナ病棟が満床になり、一般病棟を閉鎖。そこの看護師をコロナ病棟に回すということになり、緊急以外の手術もできなくなっている」と指摘する。

その一方で、「特効薬など治療法が確立していない現状を危惧する声が出ている。また、突然変異を起こし、致死率が急激に上がるほど強毒化したらどうするのか予測できないという不安もある」と同関係者。

希望者全員がワクチン接種を完了した上で、インフルエンザに対するタミフルのような特効薬があれば、コロナを発症しても近所の開業医から薬を処方してもらい、安心して自宅療養できるようになる。

各メーカーで特効薬候補の治験が進んでおり、新薬の開発も進んでいる。いつになるか…。

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