第2の千賀、甲斐を発掘だ! ソフトバンクが「四軍制」導入へ

四軍から「第2の甲斐」が出てくるか

現在、浮上しているのが、四軍制に向けたテストとしての意味合いを持つ“三軍エクスパンション構想”だ。「いきなり四軍をつくるといっても人数を集めることもレベルも含めて難しい。将来の四軍制の実現に向けて、段階的に三軍を拡張していく方針と聞いてます」(球団関係者)。今オフから、育成ドラフトでの指名を含めて三軍組織を拡大していくことになるという。

これまで以上に本来であれば埋もれていたかもしれない“金のタマゴ”の発掘、育成にもつながる。ソフトバンクが初の三軍制をスタートさせたのが2011年。人数合わせの意味もあった当時の1期生は、侍ジャパンの金メダルの原動力にもなった千賀(育成ドラフト4位)、甲斐(同6位)を含むメンバーだ。

現在、球団では「速い球を投げるためには」といった動作解析の分野に注力している。千賀や甲斐のようにドラフトの時点では決して評価が高くなくても、自身に適している動きや正しいトレーニングをすることで、本人の努力とあいまって飛躍的に成長する素材がいるのは間違いない。

また、ソフトバンクは育成選手を育てることに関して、従来型の練習ありきの育成ではなく「豊富な試合経験を通じた育成」を屋台骨としている。直近はコロナ禍で三軍戦を組む難しさも生じたが、四軍制度に近づくことでチーム内での“三―四軍戦”による実戦数が確保できる。また、その中での競争も見込める。

以前、三笠GMは“八軍”にも及ぶMLBを例に「育成部門のさらなる発展も検討課題の大きな一つ」として挙げていた。まだクリアすべきハードルもあるというが、さらなる常勝化に向けての歩みを止めることはなさそうだ。

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