ライオンズの若き龍・綱島龍生選手の活動報告 〈3〉1軍に上がりこの球場で

 約40日間の春季キャンプを終え、高知県・春野から埼玉県・所沢に戻ってきた綱島龍生。その後はコンスタントに安打を放つ日々が続き、チームトップの成績で本来の開幕時期を迎えた。

 〝センターの横を抜ける長打〟や〝鈍くさいヒットでも足でカバーして出塁する〟、キャンプではオフに描いていた理想のプレーができつつあったが、最近では「明らかにスイングがおかしい」と自ら違和感を覚え、壁にぶち当たっている。

 「考えすぎるのも自分の悪い癖なので、今は深く考えずにとにかく強い打球を打つことを意識して打席に入っている」と一球一球に集中する日々。

 〝下半身がうまく使えていない〟とコーチから指摘を受け、レジェンドの言葉を思い出した。

 「上半身が変な時こそ、下半身を意識して。その方が打てるよ」。そう、今オフ渡米した秋山翔吾からのアドバイスだ。

 綱島は今、下半身との連動を意識したティーバッティングを繰り返し、休日返上で身体に染み込ませる。

 1かご約130球を5回。1時間ほど白球に対峙(たいじ)する。「マシン打撃は気持ちよく打てる」と言い、手応えを感じて練習を終え、明日に備える日々が続いている。

 平尾二軍打撃コーチは「オフにしっかりトレーニングしてきたことが伝わるくらい成長している。今年はそれをしっかりアピールしてほしい」と期待を寄せ、松井二軍監督も「何事も継続が大事。走攻守どれも良いものを持っているので、三拍子そろった選手になってほしい」とエールを送る。

 3月12日にはメットライフドームで練習試合が行われた。綱島が目指すのは毎日このスタジアムでプレーすること。現在、メットライフドームは2021年の竣工に向けて改修中で、このオフ、クッション付に生まれ変わったグラデーションカラーの約1万6500席の座席を見て、「遠くからみたら文字になっているんじゃないか」など、山田遥楓と胸を躍らせた。

新調されたメットライフドームのシートに座り、1軍での活躍を期す綱島(球団広報部撮影)

 「早く1軍に上がって、ここに友人や家族を呼びたいなと思います」と、ライオンズの若き龍は今日もバットを振る。(西武ライオンズ広報部)

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