弱肉強食だ! 原監督が提唱する3チーム紅白戦「Gドラフト会議」の〝改革案〟とは

バックネット裏から練習を見る原監督

さあ、猛虎追撃だ。リーグ2位の巨人は12日に東京ドームで全体練習を行い、シーズン再開へ最終調整を終えた。超異例の中断期間を有効活用するべく、巨人では初の3チーム紅白戦が行われ、選手の振り分けを決める本番さながらの「Gドラフト会議」も実施された。生配信されたドラフトについて他球団からは選手への〝同情論〟もわき起こっていた一方で、発案者である原辰徳監督(63)が指摘した改善点は――。

13日からの後半戦に向け、この日は菅野や中川らファーム調整組がシート打撃に登板。原監督ら一軍首脳陣が回復ぶりを直接チェックした。

首位阪神とは2ゲーム差。V3は射程圏ながら追う立場であることに違いはない。指揮官はミーティングで従来の「ワンチーム」に加え、新たに「ワッショイ・ベースボール」の重要性を説いたといい「みんなで力を合わせれば、重いみこしも軽く感じるし、行きたいところに動ける。みんなで足並みがそろわなかったら重くも感じるし、真っすぐにも行かない」と強調した。

球宴休みと五輪開催による中断期間で生まれた〝空白の28日間〟。エキシビションマッチはもちろん、それ以外の時間をどう活用するかが、各球団の腕の見せどころでもあった。巨人では坂本ら一部の主力を除き、7月21日に一~三軍混合の3チーム紅白戦「リアルジャイアンツカップ」を開催。一軍首脳陣の目が届きづらい育成選手たちには格好のアピールの場となり、原監督も「キャンプなんかでも使えるな」と大きな手応えを口にしていた。

そして、球団外からも今後が注目されているのが編成方法だ。今回は各チームを率いた元木ヘッド、阿部二軍監督、二岡三軍監督がドラフトを実施。その模様は球団公式のインスタライブで生配信され、ファンからも大きな反響を呼んだ。

実は、この取り組みは配信前から他球団も「すごく画期的」と前のめりになりつつも「ドラフトを全部公開したら、各選手の本当の位置づけやランクがバレてしまう。選手にはちょっと酷かもしれない」「各監督が指名しなかった選手との人間関係を変に勘繰られたりしないか?」といった懸念も広がっていた。

今回、実際に生配信されたのはドラフト5位までで、すべては杞憂に終わった。ただ、一連の試みを終えた原監督が唱えた改善点は〝オール・ガラス張り化〟だった。

「春は『最後の最後までドラフトをやってくれ』と。現状のチームを構成する上において、自分がこの位置なのかという(ことを選手が知る)。それは大事なことだろうと。われわれは弱者救済の世界じゃないんだ。弱肉強食ですよ。食うか食われるか」

選手の序列を明確にすることで、置かれた立場を認識し、さらなる発奮材料につなげる。また、定期的に行えばドラフト下位からの〝下克上ドラマ〟も生まれそうだが、果たして。

© 株式会社東京スポーツ新聞社