矢野阪神 後半戦再ダッシュへ 気になる切り込み隊長・近本の “スロースターター” ぶり

近本の調子が上がれば、阪神は一気に活気づくのだが…

セ・首位で前半戦を折り返した阪神が13日の広島戦(京セラ)に3―9で完敗した。後半戦開幕戦となるマウンドへ送り出したエース・西勇が、初回に4点を失うなど6回5失点でKOされ7敗目を喫した。

幸先の悪い後半戦のスタートに、矢野監督は「(西勇は)丁寧にいきすぎた結果、相手も合わせやすくなってしまった。(チームも)常に絶好調というわけにはいかないからね。一人ひとりが状態を少しでもあげていってくれれば」と力なく言い残し、球場を後にした。

2位・巨人が勝ったため、ゲーム差は「1」となり、3位・ヤクルトまで2ゲーム差以内で拮抗するなど〝混セ〟の様相を呈してきた。1か月近い五輪中断期間を挟む異例のシーズンだけに、どこのチームが後半戦のロケットスタートに成功するかが、ペナントレースの行方を大きく左右することになりそうだ。

そんななか、阪神でカギを握る男と見られているのが、エキシビションマッチ直近12打数無安打と打棒低調だったリードオフマン・近本広司外野手(26)だ。

この日は8回の最終打席に左前打をマークし4打数1安打。「近本の出来不出来によってチームの得点能力は大きく変わる。後半戦開幕でまた出遅れることになってしまうと、ウチとしてはあまりにも痛い」とチーム関係者も危惧していただけに、早い段階で一本出たことはこの日の数少ないポジティブな要素だろう。

近本の今季の3月月間打率は0割4分5厘。昨季の開幕月にあたる6月の月間打率も1割2分8厘と、チームきってのスロースターターとしても知られる。打って走れる虎の切り込み隊長が一日も早く本来の姿を取り戻せば、チームの16年ぶり覇権奪回も現実味を帯びてくるのだが…。

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