メクル第566号 スペインにとどけ 平和の願い 「キッズゲルニカ」おくる

平和への願いと友好の思いがこめられた巨大絵画=長崎市、聖マリア学院小

 「スペインに平和(へいわ)をのせていってほしいな」。長崎市若草町(ながさきしわかくさまち)の聖(せい)マリア学院小(がくいんしょう)の児童(じどう)が、願(ねが)いをこめてえがいた巨大絵画(きょだいかいが)「キッズゲルニカ」が4月(がつ)、スペインのゲルニカ・ルモ市(し)におくられました。
 80年前(ねんまえ)、ナチス・ドイツによる人類史上初(じんるいしじょうはつ)の無差別都市空爆(むさべつとしくうばく)を受(う)けたゲルニカ。戦争(せんそう)で原爆(げんばく)を経験(けいけん)し、平和(へいわ)への思(おも)いをいだく長崎(ながさき)とにています。キッズゲルニカは、スペインの画家(がか)ピカソが爆撃(ばくげき)へのいかりを表(あらわ)した大作(たいさく)「ゲルニカ」にちなみ、子(こ)どもたちが同(おな)じ大(おお)きさ(縦(たて)3.5メートル、横(よこ)7.8メートル)のキャンバスにえがく国際的(こくさいてき)な取(と)り組(く)みです。
 聖(せい)マリア学院小児童(がくいんしょうじどう)の巨大絵画(きょだいかいが)は、マリア像(ぞう)や教(きょう)会(かい)、平和(へいわ)に向(む)かって飛(と)ぶハトのむれのほか、長崎市(ながさきし)の山王神社(さんのうじんじゃ)の被爆(ひばく)クスノキとゲルニカ・ルモ市(し)のカシの木(き)をえがき、両市(りょうし)の友好(ゆうこう)を表現(ひょうげん)。長崎(ながさき)の巡礼団(じゅんれいだん)28人(にん)が現地(げんち)に持参(じさん)し、披露(ひろう)されました。ゲルニカ空爆(くうばく)を体験(たいけん)した画家(がか)ルイス・イリオンドさんは「とてもいい絵(え)。どのような平和学習(へいわがくしゅう)をしているかよく伝(つた)わってくる」とたたえました。
 巡礼団長(じゅんれいだんちょう)でカトリック長崎大司教区(ながさきだいしきょうく)の〓(9ad9)見三明大司教(たかみみつあきだいしきょう)は「長崎(ながさき)の原爆(げんばく)と同(おな)じように、ゲルニカでも無差別空爆(むさべつくうばく)を次世代(じせだい)に伝(つた)えようとしているように見(み)えた」とふり返(かえ)り、「日常生活(にちじょうせいかつ)の中(なか)
での人間関係(にんげんかんけい)が平和(へいわ)の基(き)礎(そ)。平和(へいわ)の輪(わ)がさまざまな形(かたち)と方法(ほうほう)でさらに広(ひろ)がるようにと願(ねが)わずにはいられません」とコメントしました。
 おくった巨大絵画(きょだいかいが)は、毎週月曜日(まいしゅうげつようび)に市民(しみん)でにぎわう市場(いちば)の壁(かべ)にかけられる予定(よてい)です。

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