MotoGP第11戦オーストリアGP:ルーキーのマルティンがレコード更新で2戦連続のポールポジションを獲得

 MotoGP第11戦オーストリアGPの予選がレッドブルリンクで行われ、MotoGPクラスはルーキーのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)が2戦連続となるポールポジションを獲得。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は12番グリッドを獲得している。

 フリー走行3回目は気温22度、路面温度23度のドライコンディションで始まった。序盤、トップに立ったのは初日総合トップだったヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)。ザルコがしばらくトップタイムをキープしていたが、残り時間15分を切るとファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がタイムを更新。トップに立つ。

 クアルタラロはその後も自身のトップタイムを更新していった。残り時間10分を切って、1分22秒968をマーク。しかしその後、トップに浮上したのがフランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)だった。バニャイアは終盤のアタックで、ザルコのタイムに並ぶ1分22秒874を記録して、このセッションを制した。

 さらに2番手にはクアルタラロ、3番手はザルコが続いた。なお、ザルコはフリー走行1回目のタイムで3回のフリー走行総合トップにつけている。

 4番手にはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が続き、5番手はアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は8番手で予選Q2のダイレクト進出を決めている。

 フリー走行4回目は、ザルコがトップタイム。2番手にはルーキーのエネア・バスティアニーニ(アビンティア・エスポンソラーマ)がつけた。3番手はジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)、4番手はアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)で、5番手にクアルタラロが入った。中上は12番手だった。

 このセッションではマルク・マルケス、前戦ウイナーのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)などが転倒を喫している。

■マルティンがQ1からの予選でポールを獲得

 予選Q1は気温30度、路面温度39度のドライコンディション。Q1から予選に挑むのは、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)、マルティン、ミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、リンスなどの面々である。

 前半のアタックでトップに立ったのはマルティン。2番手にはフリー走行4回目で2番手タイムだったバスティアニーニがつけるも、そのタイムをリンスが上回る。

 ピットインを挟んで始まった後半のアタックでもマルティンがトップをキープ。マルティンは最後のアタックで1分23秒197を記録して、Q2進出を決めた。2番手に入ったのはオリベイラで、終盤に連続してタイムを更新すると、Q1突破を果たした。

 続いて始まったQ2では、ザルコが早速1分23秒984のトップタイムをマーク。その後、ザルコのタイムを上回ったのがチームメイトのマルティンだった。トップがマルティン、2番手ザルコとプラマック・レーシングのふたりがトップ2につけたその直後、クアルタラロが1分22秒677を叩き出してトップに躍り出た。クアルタラロのタイムはザルコがフリー走行1回目で記録したオールタイム・ラップ・レコードを更新するタイムだった。

 クアルタラロがトップのまま、アタックは後半の時間帯に入る。しばらくはクアルタラロがトップを守っていたが、最後のアタックでマルティンがクアルタラロのタイムを0.034秒更新。1分22秒643というオールタイム・ラップ・レコードを更新するタイムでトップをさらった。

 マルティンはQ1からの予選でポールポジションを獲得。スティリアGPに続く2戦連続、2021年シーズン3度目のポールシッターとなった。2番手はクアルタラロで、3番手はフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)。前戦スティリアGPとポジションは異なるものの、同じ3人がフロントロウに並ぶことになった。

 ザルコは1列目を逃したものの、2列目4番グリッドを獲得している。マルク・マルケスは今季の自己ベストグリッドタイとなる5番手で、中上は12番手。ロッシはQ1突破ならず、18番手で予選を終えた。

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