神奈川・山北町で総雨量480ミリ超 小田原の国道135号で崖崩れも

崖崩れのあった国道135号=小田原市米神

 停滞する前線の影響で神奈川県内は西部を中心に記録的な大雨となっており、降り始めからの総雨量は山北町で480ミリを超えた。県と横浜地方気象台は15日、相模原、厚木、秦野、伊勢原、松田、山北、愛川、清川の8市町村に警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報を発表。崖崩れなどの危険性が高い状態が続いており、小田原市や相模原市緑区で道路脇の土砂が崩れるなどの被害が出ている。

 同日午後1時までの集計では、相模原、厚木、伊勢原、愛川、清川の5市町村が警戒レベル4の避難指示を出し、崖沿いの住民らに安全な場所への避難を促している。小田原市や箱根町などは警戒レベル3の高齢者等避難を発令。ほかにも避難所を開設している自治体がある。

 気象台によると、午後2時現在の総雨量は山北町で482.5ミリを記録。箱根町が452.5ミリ、相模原市中央区では329.0ミリとなっている。県が山北町に設置した雨量計では、連続雨量が既に600ミリを超えている。

 発達した雨雲が各地で激しい雨を降らせており、相模原市の道志川、大和市などを流れる境川、平塚市の金目川、伊勢原市の渋田川と歌川などでは一時、氾濫危険水位を超えた。小田原市などを流れる酒匂川も水位が上昇し、県などが一時、氾濫注意情報を出した。

 また、山北町と松田町付近では15日午前、それぞれ1時間に約100ミリの猛烈な雨が降ったとして、気象庁は記録的短時間大雨情報を相次いで発表した。

 大雨警報は開成町を除く32市町村に出され、横浜、川崎、藤沢、大和市や箱根町など広い範囲に洪水警報が発表された。気象台は低い土地の浸水や河川の増水・氾濫などにも警戒を呼び掛けた。

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