中日“立浪監督”が消滅? 与田監督続投の仰天シナリオが浮上したワケ

与田監督の任期は今季限りだが…

中日の次期監督候補に“意外な人物”が急浮上だ。今季が3年契約の最終年となる与田剛監督(55)は昨季8年ぶりAクラス入りとなる3位となり、今季は2011年以来10年ぶりの優勝を目指しているが、すでに自力優勝の可能性が消滅。15日現在、4位ながら最下位・DeNAとは0・5ゲーム差に肉薄され、最下位転落の危機が迫っている。球団周辺では早くも次期監督候補を巡ってきな臭い情報が飛び交うなど、ピリピリとしたムードが漂ってきた。

中日が泥沼から抜け出せないでいる。15日の巨人戦(東京ドーム)も投打の歯車がかみ合わず、2―4で敗戦。東京五輪による中断期間を挟み今季ワーストの6連敗で、借金は今季ワーストを更新する「13」まで膨らんだ。

前半戦から深刻なのは貧打だ。後半戦も3試合で計5得点のみ。この日も4安打2得点と振るわなかった。0―4の5回に高橋周の適時二塁打、A・マルティネスの押し出し死球で2点を返すのが精一杯で、続く一死満塁の絶好機に1番・京田が見逃し三振、加藤翔が二ゴロに倒れた。

この場面について与田監督は「個の力を上げないと。京田はファームから上がってきてだんだん良くはなってきているが、一軍は点を取らないと始まらない。チャンスに強くならないと」と注文をつけたが、就任3年目の後半戦に入っても課題の貧打、得点力不足が解消される気配はまったく見られない。

そんな中で球団周辺では次期監督の話題で騒がしくなってきた。ミスタードラゴンズ・立浪和義氏(51)が後任筆頭候補と目されているのだが、ここへきて複数の“別シナリオ”を指摘する声が出てきているのだ。

球団関係者は「今年の春季キャンプで臨時コーチを務めた立浪が次期監督の既定路線と言われているのだが、そうすんなりとはいかないかもしれない。どこの球団もそうだが、コロナの影響で苦しい状況に陥っていておカネがない。だからここまで二軍でそれなりの結果を残している仁村二軍監督の一軍監督昇格の可能性もあるかもしれない」と指摘する。

新監督を迎えれば、契約金や新たな組閣のための年俸など出費がかさむことになる。そのため、内部昇格で少しでも節約する方針に転換するかもしれないというのだ。

実際、今季の中日はライバルの巨人、阪神のような大型補強もなく、新外国人はガーバー、ロサリオといずれも推定年俸5000万円の“低価格帯”で獲得。さらに今季中に祖父江、又吉が国内FA権を取得するなど残留交渉するためにはそれなりの条件提示も必要となる。二軍で門倉投手コーチがシーズン中に退団しても補充することはなかった。

こうした状況もあってチーム関係者の間では「もしかしたらこのまま与田監督の続投もあるかもしれない。今季までの年俸(推定1億円)を減額して契約を延長すれば、それが一番球団にとっておカネがかからないことになるからね」との“仰天シナリオ”までささやかれているという。

しかし、その一方では「おカネがないからといって、結果を残せていない与田監督を続投させたら、それこそ中日ファンが黙っていないと思う」と、危惧する声も上がっている。

チーム周辺では次期監督候補は本命・立浪氏、対抗・仁村二軍監督、大穴・与田監督というところ。さてどうなるか。

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