韓国地方紙「現代自動車のEV、リコール対象外でも欠陥」「地元修理店には列を作ってる」

相次ぐ火災事故により、3度のリコール措置を行っている現代自動車の電気自動車「コナEV」だが、リコール対象ではない車両でも異常が発見されたことが分かった。

韓国高原道の地元紙「原州新聞」は15日、原州在住の52歳の主婦・キムさんが先月18日、自身が住むマンションの駐車場でコナEVのエンジンをかけたが、起動しなかった。前日に充電器のアダプターを差し込みフル充電された状態だった。

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同紙によると、翌日、キムさんが近所の修理工場で車をみてもらったところ、電気自動車で最も重要な高電圧バッテリーを交換する必要があるという診断を受けたという。

同紙は、「さらに驚くべきことは、電気自動車を専門に修理するこの店にはキムさんの車だけでなく、似たような欠陥を持つ電気自動車6台がバッテリーの交換のため列を作っていた」という。

キムさんは韓国国土交通省と韓国交通安全公団が運営する「自動車リコールセンター」のホームページを確認したが、コナEVの過去3回のリコール対象にキムさんの所有する車両は含まれていなかったとのこと。

韓国の地方紙「原州新聞」の15日当該記事キャプション

原州新聞は、「腹立たしいのは、車両が修理工場に入庫されてから一ヶ月近くなるが、まだ電池交換の予定さえ取れずにいるという事実」とのキムさんの指摘を伝えた。

同紙によるとキムさんは、「今考えてみると、電気自動車の派手な修辞に惑わされだまされたと思った」とし、「世界的な自動車ブランド会社がアフターサービスにASに長い時間を無駄にするのだから、これまで持ってきた信頼が消えた」と述べたという。

同紙は、現代自動車の関係者は、リコール車両があまりに多く対応が遅れていると答えたと伝えている。現代自動車のリコールの遅れについては他の韓国メディアなども先に報じていた。

国土交通省によると、「コナEV」はこれまで、一部電池セルの製造不良による火災の可能性やバッテリーセルの内部端子の製造不良による内部ショートの可能性などにより3度のリコール措置を行っている。現代自動車は電池を供給するLGエナジーソリューションと1兆4,000億ウォン(約1,549億円)を分担しリコール費用に充てている状況だ。

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(アイキャッチ画像:コナEV=現代自動車)

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