阪神・佐藤輝にありがたい「五輪お土産」 隠れた“金メダル功労者”から期待通り届くか

阪神・佐藤輝

首位・阪神でさらなる躍動が期待されている怪物新人・佐藤輝明内野手(22)。前半戦はチームトップの20本塁打を放ち、いまや打線に必要不可欠な存在となった。そんな和製大砲の成長を、チーム内にいる東京五輪・金メダルの〝隠れた功労者〟も後押ししてくれそうだ。

後半戦開幕カードを勝ち越した阪神。侍ジャパンのメンバーが順調に現場復帰したことも大きな収穫だ。捕手・梅野は14日の広島戦で適時打を含む猛打賞、中継ぎ・岩崎も15日の広島戦で復帰後初登板を1回無失点、青柳も17日のDeNA戦で先発予定。金メダル戦士たちが激戦の疲労などを感じさせずに機能していることは、今後への好材と言える。

一軍には代表を陰で支えたもう一人の〝帰還組〟がいる。侍ジャパンのチームスタッフとして派遣された嘉勢敏弘打撃投手(44)がその人。仙台での直前合宿から主に打撃投手として侍ジャパンを裏方としてサポートしてきたいわば、金メダル獲得の陰の功労者だ。

侍ジャパン首脳陣は、嘉勢氏が得た経験値を「佐藤輝にこそ、伝えてあげてほしいかも」と話す。実際に投げて感じた一流打者などの〝すごみ〟を折に触れ、披露してほしいという。理由はもちろん、佐藤輝が近い将来の代表の主力になるだけの強打者と踏んでいるからだ。

「特に村上(ヤクルト)なんかは、打者としても左の中長距離タイプで年齢も近い。本人も興味を持つと思う。何がすごかったのか、優れていたのか、普段、投げている打者とどんな違いがあったのか? ほぼ同じ時期に(村上と佐藤輝の)実際に2人に投げていて、比較材料を持ったうえで、あくまで客観的に伝えることができるはずだからね」(侍関係者)

もちろん、打撃投手は求められない限り、スタッフの立場を超えることはできない。ただ、快挙を成し遂げた五輪組の「お土産話」は今が最も旬。現場関係者なら誰もが耳を傾けたい〝滑らない〟ネタだ。侍野手陣の技術の高さを肌で感じたであろう打撃投手の証言は「今後の彼には、絶対に参考になると思う」(同)。

佐藤輝にとって〝貴重な証言〟は、自分の現在地を知り、今後の成長ビジョンを描くための貴重な道しるべになりそうだ

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