終盤までターニングポイント 阪神〝要警戒チーム〟は今後も「広島」

手堅く勝ち越した阪神・矢野監督

阪神が13日の広島戦(京セラ)に3―0で快勝し、後半戦開幕カードを勝ち越した。14日から2位・巨人に1ゲームと肉薄されてから2試合連続で首位を死守する〝地力〟を示したが、一進一退の攻防は今後も続く。そんななか下位球団への「取りこぼし」がご法度なのは当然も、今カード勝ち越した赤ヘル軍団は、今季は最後まで〝要警戒〟の神経を使う相手になりそうだ。

後半戦開幕シリーズを阪神は〝手堅く〟勝ち越した。1勝1敗のタイで迎えた15日は、近本の先頭打者弾やサンズの適時打で作ったリードを、先発の秋山ら5投手の継投で守り切った。連日、負ければ首位陥落の試合をしのいだ矢野監督も「数字は気になりますけど、できることは目の前の試合を全力でやることだけ」と冷静に現状を見据えている。

8月の16試合は、ライバル・巨人との直接対戦はなく5位・広島と最下位・DeNAが12試合。〝取りこぼし〟を少なくすることは必要不可欠だが、特に広島戦は今後も隠れたターニング・ポイントとなる。というのも、広島の存在が悲願のVを目指す猛虎の〝最終盤〟に絡んできそうな気配だからだ。

現日程でもライバル・巨人との直接対決を終えた10月下旬に、広島とは4試合。両軍ともに本拠地は屋外ため「毎年、ラスト何試合かっていつも甲子園と広島を行ったり、来たりで終わる。9月にも5試合、広島とあるけど、これがいつも台風とか(雨天中止で)で流れてその分が、また10月の最後に回るだろうから」(チーム関係者)と、今後も日程、最終盤に対広島戦が追加される可能性が十分にある。

この日を終え、赤ヘルとの対戦成績は8勝5敗も、侮れない要素も出てきている。広島は東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパンにも、最多の4選手を派遣。五輪で2勝の先発・森下や4番・鈴木、抑えの栗林、内野の要・菊池涼など代表でも中核を担った選手がズラリ。所属チームでも本領発揮となれば、必然、チームは前半以上の勢いにもつながる。

1ゲーム差の2位・巨人とのデットヒートは最後までもつれるかもしれない。となれば、猛虎は秋風が吹くまでに完全に鯉の息の根を止めておく必要がある。

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