初盆を迎えた故人の霊を西方浄土へ送り出す長崎の伝統行事「精霊流し」が15日、長崎県内各地であった。長崎市の精霊船の数は過去10年間で最少。少人数で小型の船を担ぐ姿が多かった。
長崎市では小雨が降る中、夕方から街中に爆竹の音が鳴り響いた。そろいの法被などを身にまとったマスク姿の遺族らが、故人を思いながら船を引いた。
県警交通規制課によると、今年県内で2メートル以上の精霊船は428隻(前年比94隻減)。同市廃棄物対策課によると、市内の精霊船1150隻(同84隻減)のうち、約7割の818隻(同60隻減)が2メートル未満の小型だった。2メートル以上の船は例年に比べ約3割減。死者数は過去10年間で最多だったが、供え物などをわらで包む「こも」も過去10年間で最少だった。同課は「コロナで自粛を呼び掛けていたことと、雨が影響したのでは」としている。
毎年見物にくる同市のパートの女性(72)は「人だかりがめっきり減って寂しい」と話し、コロナの収束を願っていた。
故人しのび「精霊流し」 長崎は過去10年で最少
- Published
- 2021/08/17 11:00 (JST)
- Updated
- 2021/08/19 09:17 (JST)
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