阪神は攻撃面でもマイナスだった二塁が後半戦の鍵?
東京五輪の中断期間が明け、ペナントレースが再開されたプロ野球。各球団が90試合前後を消化し、いよいよシーズンも佳境に入ってくる。
ここまでの戦いでセパ12球団にとって“課題”として浮き彫りとなったポジションはどこか? 前回は、平均的な打者が打つ場合に比べてどれだけ得点を増減させたかを示す「wRAA」というセイバーメトリクスの指標を用いて攻撃面を検証。今回は守備面で検証したい。
検証には同じ守備位置の平均的な選手と比べてどれだけ失点を防いだかを示す指標「UZR」を用いた。なお、このデータは、セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータを参照した。
まずセ・リーグだ。首位に立つ阪神では近本の守る中堅が10.4とリーグでトップ。大山の三塁も3.2とプラスになっている。その一方で一塁や二塁、左翼、右翼はマイナスに。ただ、一塁、左翼、右翼は攻撃面での貢献度が大きかった。攻守両面でもマイナスとなっていた二塁が後半戦の課題となるか。
巨人でUZRがマイナスとなったのは坂本の遊撃のみ
巨人は吉川尚の二塁、岡本和の三塁など各ポジションが軒並みプラス指標に。マイナスなのは坂本の遊撃だけだが、坂本は攻撃面で大幅なプラスを生んでいる。現在2位の巨人は攻守両面でバランスが取れているチームだと見て取れる。
ヤクルトは山田の守る二塁、村上の守る三塁、青木の左翼がプラス。ただ、右翼や遊撃などがマイナス。右翼は助っ人のサンタナが入るだけに致し方ない部分はあるが、遊撃は攻撃面でもマイナスでチームにとっての課題と言えそう。中日は大島の中堅が大きなマイナスとなっているが、木下が中心の捕手や根尾が好指標の左翼などが大きなプラスになっている。
5位の広島は捕手と三塁、遊撃でのマイナスが大きく、大きなプラスを生んでいる位置はない。最下位のDeNAは守備面で大きなマイナスに。捕手を除く全ポジションがマイナスとなっており、データから見ると、守備面が大きな課題と言える。
オリックスが首位に立つパ・リーグは…
パ・リーグはどうか。首位に立つオリックスは宗の三塁を筆頭に一塁、中堅はプラスだが、二塁や遊撃、左翼、右翼とマイナス。吉田正の左翼と杉本の右翼は攻撃面で大きなプラスがあったが、特に二塁は攻守両面で大きなマイナスとなっており何とかしたいところだ。
楽天は茂木の三塁で12.7と大きなプラス。辰己らの中堅も6.1とまずまずで、ほとんどのポジションが平均以上の指標となっている。その中で課題は遊撃。小深田が主に守っているが、UZRは-9.7とリーグワースト。攻撃面でもプラスを生めておらず課題と言える。
3位のロッテは捕手、三塁でマイナスだが、遊撃や左翼、中堅などでプラス。ソフトバンクは甲斐の捕手、中村晃の一塁、今宮の遊撃で大きなプラスを生み出す一方で、松田らの三塁や左翼、中堅はマイナス。特に柳田、真砂らが守る中堅は-10.4とリーグワーストになっている。
西武は源田の遊撃が15.1とリーグトップのUZRを記録。一塁、右翼でもプラスとなっている一方で金子侑が多く守る中堅が-8.8と大きなマイナスに。最下位の日本ハムは浅間らが守る中堅が6.2だが、プラス指標なのはここだけ。攻撃面と共に軒並みマイナス指標となっており、野手陣の攻守両面での奮起が求められる。
【表】12球団のポジション別「UZR」の詳細な一覧はこちら
【表】12球団のポジション別「UZR」の詳細な一覧はこちら signature
(Full-Count編集部)