8月15日、オーストリアのレッドブル・リンクでMotoGP第11戦オーストリアGPの決勝が行われた。今季不調のバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)だったが、雨で波乱の展開となったレースでは一時は3番手まで浮上し、今季自己ベストとなる8位でフィニッシュした。
2021年はヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTから参戦しているロッシ。ファクトリー仕様のヤマハYZR-M1を駆っているが、今季はシングルフィニッシュもできないでいた。また、2021年限りでMotoGPライダーを引退することを発表している。
第11戦オーストリアGPでは、18番手スタートだったがスタートで出遅れてしまい最後尾の20番手へ後退。2ラップ目には18番手を取り戻し、その後は順位を少し上げ、18ラップまでに15番手とポイント圏内まで浮上した。
レース終盤には雨が降り出し、ラスト5ラップでふたり、残り3ラップでは6人のライダーがマシン交換を決断してピットに入った。しかし、ロッシを含む9人がスリックタイヤのまま続行し、残り3~2ラップでは3番手へと浮上。ロッシは最高峰クラス200度目の表彰台を獲得するかと思われた。
しかしその後、さらに雨が激しくなるとペースダウンを余儀なくされ、ラストラップで5番手、そして8番手まで後退して今季自己ベストとなる8位でフィニッシュした。
「レース終盤、スリックタイヤからレインタイヤへの交換のポイントが非常にエキサイティングだった」とロッシ。
「僕としては、残りがわずか4ラップだったので、マシン交換は望まなかった。そして、それは正しい判断だったと思う。しかしながら、もし雨があと2分遅れていたら表彰台に立てたかもしれないね」
「僕は一時、3位に上がっていて、ボードでそれを確認したときは衝撃を受けた。結局、表彰台というわけにはいかなかったが、8位でゴールしてポイントを獲得できたので、僕にとってもチームにとってもうれしい一日になったよ」
「また、今回は久しぶりに、コース中に大勢の観客を迎え、素晴らしい雰囲気のなかで走ることができた。イエローの服を着たたくさんのファンが声援を送ってくれた。とてもうれしく、チェッカー後にピットに戻るまでのファイナルラップもエキサイティングだった。マシンのフィーリングも上々。次のシルバーストンを楽しみにしているよ」