再び膨らんだ巨人助っ人軍団 ハイネマン加入で外れるのは誰だ

原監督は助っ人軍団をどうやり繰りするか

巨人は18日のヤクルト戦(松山)に3―2で逆転勝ち。3位転落を阻止し、首位阪神との2ゲーム差を堅持した。リーグ3連覇に向け、球団は中断期間中にスコット・ハイネマン外野手(28)を獲得するなど着々と戦力を補強。昨オフに入団した外国人選手2人はすでにチームを離れたが、実質的に7人まで〝回復〟。再び大所帯化する助っ人勢をいかに使っていくのか。今後の原辰徳監督(63)ら首脳陣の手腕が注目されている。
最後はベテランのひと振りでひっくり返した。1―2の7回一死二、三塁の好機で中島が右前へ逆転の2点適時打。前夜はリリーフ陣が総崩れとなったが、この日は田中豊、畠、高梨、デラロサ、ビエイラの5人が無失点リレーでつないだ。原監督は「今日はもう数少ないチャンスでね。ナカジ(中島)はいいところで打ってくれました」とたたえた。

上位3チームが3・5差でしのぎを削る中、球団側も終盤戦にかけての準備に余念がない。今月上旬には前レッズ傘下の3Aルイビルから自由契約となったハイネマンと契約合意。今月中には来日し、隔離期間を経て早ければ9月からチームに合流できる見込みだ。さらに、前日17日に入団したばかりの最速154キロ右腕のダニエル・ミサキ投手(25=前BC栃木)がこの日から二軍で始動。結果やチーム状況次第では今月中に支配下に昇格する可能性もあるという。

こうなってくると、来月以降の首脳陣が直面するのが助っ人勢の運用法だ。支配下の投手では先発枠のメルセデスとサンチェス、守護神のビエイラとデラロサの4人。野手では今季中の復帰が絶望的なテームズを除きウィーラー、ハイネマン、ウレーニャの3人となっている。ハイネマンが合流し、ダニエルも加わると8選手をどう使うかが問われることになる。

外国人選手がベンチ入りできる人数は最大4人(一軍登録は5人まで)。ライバル球団からは「絶対に外せないのは打の要のウィーラーと守護神に定着したビエイラでしょう。ハイネマンが入ってくれば、現場としては一度は使いたいはず。そうなると必然的に誰かを外す必要がある。悩ましいところじゃないか」との見方も出ている。

とはいえ、メルセデスもドミニカ共和国代表として東京五輪で大活躍し、後半戦も先発ローテ入り。前半戦は不安定だったデラロサも中断期間中に走り込みなどを行い、後半戦は3試合連続無失点で復調傾向にある。一方、好不調の波が激しいサンチェスはファームで調整中で現在は後じんを拝している格好だ。

獲得した戦力をいかに活用していくのか。今後の助っ人のやりくりもリーグ戦の行方を左右しそうだ。

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