長崎IR事業者選定 落選のニキ、県に審査のやり直しを要望

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致で、IRを設置・運営する事業者を選定する長崎県の審査に落選した「ニキ チャウフー(パークビュー)グループ」が、選考過程に問題があったとし、審査のやり直しを求める要望書を県に提出したことが18日、分かった。審査の一環で実施した、反社会的勢力の関与などを確認する廉潔性調査が「事実に基づいていない」と主張している。
 要望書には具体的な調査内容は記していないが、「何の関連もないゴシップに基づいている」と指摘。複数の関係者によると、グループには世界的なIRを運営するメルコリゾーツ&エンターテインメント(香港)が含まれており、「社会的に定評のある世界的企業が、名誉と誇りを傷つけられた。(県に)事実ではないと回答し、証拠書類を提出したが、正しく評価しない」と強調。選定結果の撤回を求めた。
 県は「募集要項にのっとり公平公正に審査した」としている。
 IR事業者の選定を巡り、県は応募した5グループの提案や参加資格などを審査。廉潔性は委託を受けた調査会社が確認した。県は10日、オーストリアの国営企業傘下の「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」と基本協定を結び、IR誘致を進めると発表。ニキは3番目の評価だった。

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