【東京パラリンピック】アイルランド代表が空港で車いすを壊され波紋

東京パラリンピックのロゴ(ロイター)

東京パラリンピックのアイルランド代表選手が、経由地の空港で車いすを壊され、波紋が広がっている。

水泳男子100メートル背泳ぎ(S6)等に出場するパトリック・フラナガンは東京に向かう際、トランジットで利用した英ヒースロー空港で、自分の大事な車いすが壊されて出てきたことをツイートした。車輪部分がへこんでしまい、回すことができないという。空港側は代わりの車いすを用意したが、自分で部屋の中を自由に回るような動きは難しい巨大な物だった。

すぐにヒースロー空港側が謝罪したそうだが、フラガナンは「謝罪はほとんど意味をもたない。これは車いすユーザーにとって、あってはならないこと。車いすは私の独立性を維持するもので、注文から出来上がるまで何か月もかかる。航空会社と手荷物取扱者の両方が車いすにもっと注意を払う必要がある」と憤慨した様子。それでも「パラリンピックへの旅がこんな形でスタートするのはがっかりだけど、日本に着くのが待ち切れない。仲間と一緒に誇れるパフォーマンスを出すことがね」と気持ちを持ち直そうと努力しているようだった。

その後、幸運にも代わりの中古車いすが手に入ったことを報告したフラナガン。しかし「すべての車いすユーザーがスペアを入手できるわけではない。決して起きてはいけないことなんだ」と、繰り返し再発防止を訴えている。

この問題は米「CNN」など欧米メディアも報じ、注目を集めている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社