2000本安打目前 西武・栗山に球団関係者〝ヤキモキ〟のわけ

2000本安打目前の栗山

周囲は来るべき〝その時〟を待っているが…。

2000本安打を目前に控える西武・栗山巧外野手(38)の周辺がひそかに慌ただしさを増している。

プロ20年目のベテランは19日のロッテ戦(ZOZOマリン)で無安打に終わったものの現時点で通算1988安打。偉業まで残り12本と8月中にも記録達成は可能といえる。この状況に「何とかならないか」と複雑な思いを抱いているのが球団を含めた周囲の関係者。西武の本拠地メットライフドームで偉業達成を迎えられるかが微妙だからだ。

西武は20日からオリックスと敵地(京セラドーム)での3連戦後、本拠地に戻り24日からソフトバンク、27日からは日本ハムとそれぞれ3連戦が控える。31日から1週間は再び敵地戦(ロッテ2連戦、楽天3連戦)のため、球団としては29日までに決めてもらい、本拠地で地元ファンと共に盛大に祝福したい思いが強い。チーム愛が強くファンを大切にする本人も気持ちは同じだろう。

ただ、その目標を実現するには今後9試合で12安打が必要となる。栗山は今季ここまで70試合の出場で計62安打。安打量産なら可能とはいえ、現在のペースでは「Xデー」は31日から9月5日までの敵地戦が有力となるだけに周囲が気をもむのも無理はない。

ある球団関係者も本音をこう明かす。「チーム生え抜き選手の偉大な瞬間なので、みな29日までの本拠地戦で決めてほしいと思っています。でも、その思いを前面に出すと本人に無言の重圧をかけることになるかもしれませんからね。今のところ9月7日から再び3カード連続で本拠地戦がありますが、そこまで『お預け』となると今度は本人の状態を心配してしまいますから…」

今季中の記録達成は確実視されているとはいえ、やはり晴れ舞台は本拠地がふさわしい。周囲はその期待を胸にベテランの動向を見守っている。

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