全域で緊急事態宣言

 とりわけ印象に残ったのは「密です、密」。ステイホーム(家にいよう)に東京アラート(警告)と横文字が多い。東京都の小池百合子知事の新型コロナにまつわる“語録”は、やけに目立っている▲漢字8文字を用いて「難局を乗り越えよう」と訴えたこともある。「感染爆発 重大局面」。昨年3月下旬の会見でそう繰り返した▲このままでは感染が爆発的に広がる、という深刻な呼び掛けだったが、この時の都内の1日の感染者数は41人。今では都内でその百倍を超え、多くの都道府県で「爆発的な感染拡大」という極めて厳しい局面にある▲長崎県もまた「爆発的」となり、きのう初めて県内全域に県独自の緊急事態宣言が発せられた。県外との行き来や飲食での感染が多く、若い人が感染する割合が増えている▲会見で中村法道知事は「いろいろな要請をしてきた経緯もあり、ご協力を頂きにくい状況になりつつある」と述べた。あれこれ自粛をお願いしてきたが、届かなくなってきた、と▲何かを大きく変えるのではない。いつもは共に生活していない人と触れ合う場を、なるべく減らしてゼロに近づける。私たちにできること、必要なことは少しの心掛け、少しの行動の変化に尽きる。地方に及んだ「感染爆発 重大局面」に皆が「少し」を持ち寄りたい。(徹)


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