両リーグの熾烈なワイルドカード争い エンゼルスは7.5ゲーム差

日本時間8月20日の全試合が終了し、2021年のレギュラーシーズンは残り45日となった。ア・リーグ中部地区のホワイトソックス、ナ・リーグ中部地区のブリュワーズのように地区首位を独走してポストシーズン進出をほぼ手中に収めているチームもあるが、ア・リーグ西部地区やナ・リーグ西部地区は1位と2位が2.5ゲーム差となっており、地区優勝の行方はまだまだわからない。また、両リーグのワイルドカードも熾烈な争いが繰り広げられている。ここでは現在の状況を確認しておこう。

ア・リーグのワイルドカード争いは、後半戦に入って好調のヤンキースが一気にトップに立った。そこから1ゲーム差の2位にアスレチックスがおり、レッドソックス、マリナーズ、ブルージェイズの3チームがアスレチックスを5ゲーム差以内で追いかけている。

データサイト「ベースボール・リファレンス」はワイルドカードの2枠をヤンキース、アスレチックス、レッドソックスの3チームが争うことになると予想。得失点差でこの3チームを上回るブルージェイズが4番手、得失点差がマイナスながらも貯金10を記録しているマリナーズは2001年以来20年ぶりのポストシーズン進出に向けて厳しい予想が出ている。

勝率5割前後をウロウロしているエンゼルスは、ワイルドカード2位のアスレチックスから7.5ゲーム差。同地区の上位3チームに大きく負け越していることがポストシーズン争いにも大きく響いている。「ベースボール・リファレンス」が算出するポストシーズン進出の可能性は1%未満。残り試合の6割以上はエンゼルスよりも勝率が高いチームとの対戦となっており、今季も大谷翔平がポストシーズンの舞台でプレーする姿を見るのは難しそうだ。

一方、ナ・リーグのワイルドカード争いは、ドジャースが2位パドレスに9.5ゲームという大差をつけてトップに立っている。ドジャースは地区首位のジャイアンツを2.5ゲーム差で追いかけており、目標はあくまでも地区9連覇。ワイルドカード争いなど眼中にないはずだ。よって、パドレス、レッズ、カージナルス、フィリーズ、メッツの5チームがワイルドカードの残り1枠を争うという構図になる。

現時点ではパドレスを1ゲーム差でレッズ、3.5ゲーム差でカージナルス、5ゲーム差でフィリーズ、6ゲーム差でメッツが追いかけているが、「ベースボール・リファレンス」は残り試合の対戦相手などを考慮し、レッズがパドレスを抜くと予想。フィリーズについては、5ゲーム差でパドレスを追うワイルドカードよりも4ゲーム差でブレーブスを追う地区優勝のほうが可能性が高くなっている。得失点差がプラスなのはパドレスとレッズの2チーム。カージナルスもレッズを2.5ゲーム差で追いかけているものの、地力に勝る2チームの一騎打ちが有力だ。

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