パラ集火式 IPC・パーソンズ会長が共生社会の実現へ熱弁「暗いトンネルの先に光がある」

聖火を拍手で送りだしたパーソンズIPC会長(右)

東京五輪・パラリンピック組織委員会は20日、迎賓館赤坂離宮(東京・港区)でパラリンピック聖火リレーの集火式を実施。国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長が〝大会の意義〟を強調した。

東京でのパラリンピックは1964年に続いて2度目。同一都市での複数回開催は夏季大会史上初めて。パーソンズ会長は「世界最高のパラリンピック選手、4400名が一堂に会し、人間の多様性を祝うことで、私たちが1年8か月間で経験した暗いトンネルの先には、光があることを示している。大会はパンデミックという困難な状況にあっても、人類が進歩し続けることができることを証明している」と述べた。

今大会は、コンセプトの1つに「多様性と調和」を掲げているが、いまだに障がい者を差別する声が聞かれているのが現状。「パラリンピック選手たちのパフォーマンスは、障がいへの偏見を覆す可能性を秘めている。世界人口の15%を占める12億人の障がい者の生活をスポーツを通じて変えることができる。この地球上で最大の社会から取り残されたグループが完全に受け入れられて、初めて彼らはきっと誰かの光となることができる」と訴えた。

共生社会の実現へ、東京パラリンピックは大きな分岐点となるか。

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