選手層の厚い巨人へ 日本ハムから電撃移籍の中田翔、気になる起用法は?

巨人の全体練習に合流した中田翔(右)と原監督【写真:共同通信社】

ベテランの中島、前半戦“MVP”級活躍のウィーラーの存在もポイントに

あと一本が出なかった。巨人は20日、本拠地でDeNAと戦い、1-6で敗れた。2回にベテランの中島宏之内野手が中前適時打を放ち、幸先よく先取点を奪ったが、その1点のみだった。繋がりを欠いてしまったが、ここに新たに日本ハムからトレードで移籍した中田翔内野手が加わることになる。早ければ21日のDeNA戦(東京ドーム)から出場選手登録される見込み。3連覇を目指すチームで、起用法はどうなるのか。期待されているものは何だろうか。

20日の試合では「5番・一塁」に中島、7番に左翼・ウィーラーと打順を入れ替えて臨んだ。中島は適時打を含む2安打の活躍も、ウィーラーは2回の追加点のチャンスで、遊撃併殺打に倒れるなど、3打数無安打。打率3割超えで前半戦のMVPと言っても過言ではない助っ人に元気がない。

好調の3番・丸佳浩外野手、30本塁打目前の4番の岡本和真内野手の次を打つ5番、6番の存在が、今の打線では重要になってくる。主軸の後に来る打者が強力であればあるほど、3、4番へ勝負せざるを得なくなり、マークも分散される。

中島は起用に応える活躍を最近、見せている。だが39歳の年齢を考えると毎日のように出続けることよりも、コンディションを整えながら、スタメンでも代打でも持ち味を発揮してもらいたいところ。元木ヘッドコーチも「ナカジは打ってくれた。ウィーラーもなんとかしようと打席には立ってくれているし、みんながみんな調子がいいわけではないからね」と選手を思いやった。攻撃に守備に全力プレーのウィーラーを見ていれば、頭が下がる思いだ。この日も攻守交代時に、一塁側ベンチから誰よりも早く飛び出し、左翼のポジションへ走って向かう姿は印象に残った。

気になる出場選手登録は…スタメンはある?

中島もウィーラーも休息を与えながらの起用が今後の鍵となりそうだ。そこに中田が加わることで、層に厚みが増す。ポジションはこの日の試合前練習で守備をしていた一塁での起用が濃厚だ。元木ヘッドは「登録はするでしょうね。スタメンなのか試合なのかは分からないですけど」と話すに留めたが、背番号10のお披露目も近い。

打撃練習でもスタンドに何度も打球を放り込んだ。痛めていた腰の状態について元木ヘッドも気になっていたようで、直接、本人に聞いたところ「悪くないです、と本人は言っていた」と言う。バッティングについても「いい感じで振っていた。心配はしていないです」と持ち味である力強い打撃が見られるのも時間の問題と感じている。

丸、岡本の後ろに、中田が控える打線を想像すると恐ろしいが、中島やウィーラーがベンチにいることも相手投手陣には恐怖だろう。元木ヘッドは中田に期待する部分として、「向かっていく闘争心。ボールを怖がらないし、向かっていく姿勢は見習っていくところはたくさんあるんじゃないかな」と期待感を寄せた。今後は新外国人選手のハイネマン外野手も合流予定とあり、ポジション争いは激化していく。戦力を整え、実りの秋に向かっていく。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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