【新型コロナ】神奈川県の施設で50代男性死亡「病床逼迫で宿泊療養を継続」

新型コロナ感染者の宿泊療養施設で療養中の男性が死亡した事案について記者会見する県担当者=県庁

 神奈川県は21日、新型コロナウイルスに感染し県の宿泊療養施設で療養中の横浜市の50代男性が死亡したと発表した。宿泊施設の療養者が死亡したのは県内で3人目。持病の心疾患による発作が起き、血中酸素飽和度も低下するなど入院を検討する状況だったが、県は「病床が逼迫(ひっぱく)している現状からやむを得ず宿泊療養を継続した」と説明している。

 県によると、男性は17日夜に発熱などの症状で病院を受診し、陽性と判明。スコアによる入院基準を満たさず、18日に軽症として宿泊療養施設に入所した。19日に血中酸素飽和度が93~94%に低下したほか、せきが悪化。20日朝も93%で、現地看護師が県の搬送調整を担う医師に連絡し、医師は経過観察とした。

 同日午後4時ごろ、男性から心疾患による発作が複数回あったが持参薬により症状がなくなったとの報告を受けた。看護師は再び医師の判断を仰いだが、経過を見て発作を繰り返す場合は連絡してもらうとの判断だった。男性は同8時半ごろから約20分間にわたり複数回の架電に応答せず、同9時5分ごろ、看護師らが部屋を訪れ、ベッドで心肺停止状態の男性を発見。同10時半すぎ、搬送先の医療機関で死亡が確認された。死因は調査中という。

 県の担当者は「事実を重く受け止め、第三者による検証の必要性を含めて検討していく」と述べた。

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