二松学舎大付エースの172球力投は報われず 市原監督「最後は秋山で終わりたかった」

172球を投げた二松学舎大付エースの秋山正雲

初の8強入りはならなかった。第11日第1試合では二松学舎大付(東東京)が京都国際(京都)と対戦し、驚異的な粘りを見せながらも延長10回、4―6と力尽きた。

エース左腕の秋山(3年)が3本塁打を浴び、1―4と万事休すかと思われた9回の土壇場、一死二、三塁から桜井(3年)の左翼席に飛び込む3ランで同点に追いつく。しかし、延長10回に二死一塁から秋山が相手エース森下(2年)に左翼線に弾き返され、クッションボールが転がるアンラッキーと悪送球もあって打者走者も生還。2点を勝ち越され、秋山の172球の力投は報われなかった。

それでも市原監督はこれまでチームを引っ張ってきた秋山に感謝の言葉を並べた。「疲れはあったと思うが肉体を上回る気力があった。この甲子園は秋山に連れてきてもらったようなものなので、最後は秋山で終わりたかった。本当に秋山には感謝している」とエース左腕を称えた。

9回の攻撃の前、指揮官が「アウトを減らすな! 2人走者を出せば空気は変わる」と激を飛ばすと、その通りの展開になり、桜井の執念の同点弾につながった。「あそこは想像したことが現実になった。夢なのか、現実なのか、映像を見ているような感じでした。勝ちたかったが、よく粘ってくれて最後は気持ちが1つになった。ウチのこの1年間を凝縮したような、振り返るような試合でした」。夢はついえたが、市原監督は熱闘を演じたナインをねぎらい、清々しい表情を浮かべた。

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