【夏の甲子園】京都国際が初8強入り センバツに続いて校歌流れ…韓国メディア大盛り上がり

躍進を続ける京都国際ナイン

第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)は24日に第11日目を迎え、第1試合で初出場の京都国際が二松学舎大付(東東京)を延長戦の末に6―4で下し、春夏通じて初の8強入りを決めた。

エース左腕の〝二刀流〟森下瑠大(2年)が10回を7安打12奪三振4失点で完投。3点リードの9回一死二、三塁から同点3ランを浴びたが、延長10回に自らのバットで左翼へ決勝となる適時三塁打を放った。1点を追う5回には左翼への同点ソロをたたき込むなど投打で勝利に貢献した。

その一方で京都国際はプレー以外の面でも大きな注目を集めている。もともと同校の前身は在日コリアンらを対象とした民族学校の「京都韓国学園」。各種学校としての位置づけだったが、2004年に一般的な私立高となってからは現在の校名に変更されている。その名残から創立の1947年以来、韓国語の校歌を採用。甲子園初出場となった今春のセンバツに続き、今大会でも2回の攻撃前と勝利後の計4度にわたって京都国際の韓国語校歌が聖地に響いている。こうした背景から、お隣の韓国も〝大盛り上がり〟となっているようだ。

韓国3大新聞の1つで保守系メディアの「朝鮮日報」(電子版)は同日付で「韓国語校歌がまた響きわたった…京都国際が日本の大会で8強進出」と題した記事を掲載し、この日の試合終了から約1時間後にすぐさま速報。「韓国系民族学校がルーツの京都国際高は今年春のセンバツで外国系学校として初めて本戦に進出し、その名をとどろかせた。特に試合の日は〝東海を超えてきた大和の地は神々しい我々の――〟と始まる韓国語校歌も放送を通じ、全国生中継されて、在日韓国人社会に大きい感動をもたらしてくれた」などと報じた。NHKの大会中継においては日本語訳で「東の海」とされるなど、たびたび議論を呼ぶ同校校歌の歌詞「東海」(韓国側の日本海の呼称)はそのまま掲載している。

また、韓国の人気WEBニュースサイト「Oh My Star」は同日付の記事の中で「今日も試合が終わった後、勝利した京都国際高校の韓国語校歌が日本全国に放送された」と触れ、さらに「19日に京都国際が最初の試合に勝った後、朴慶洙校長先生は(韓国テレビ局の)MBC『ニュースデスク』に出演し『日本で韓国語校歌が響きわたったことに感激したが、今後も野球の実力を日本と韓国に示したい』と話していた」と〝日韓両国の架け橋〟につながる美談も紹介しながら、同校のベスト8入りを「快挙」として報じた。

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