三浦・城ケ島「灯台通り」拡幅へ 観光振興目指すも交通安全は

道路幅が狭く、拡幅が計画されている城ケ島灯台通り=三浦市

 神奈川県三浦市は、観光客向けの店舗が並ぶ城ケ島灯台通り(市道)の拡幅に乗り出す。道路幅を約2倍の6メートルに広げ、観光客が安心して歩ける環境づくりを目指す。ただ、拡幅予定地の所有者の一部は計画の見直しを求めており、先行きは不透明だ。

 灯台通りは、商店街入り口から旧城ケ島京急ホテル付近までの全長約250メートル。計画では、民有地を取得し、幅員を現在の3メートル前後から6メートルに広げる。

 灯台通りのある城ケ島西部地区では、地元の城ケ島区がまちづくりに関する基本構想を策定。観光振興の観点から、長年の課題だった市道の拡幅も盛り込まれた。

 市は「観光の核づくり推進事業」として、京浜急行電鉄からの企業版ふるさと納税854万円を使って2021年度に測量や詳細設計を実施。22年度に用地取得と移転補償、23年度に工事着手を予定している。

 一方、商店街の店主ら7人は12日、拡幅の見直しを求める陳情書を吉田英男市長に提出した。代表を務める土産物店の店主(72)は「道幅が広がると車の速度が出やすくなり、交通事故が心配。用地売却で建物が使えなくなって経営に支障を来す店舗もある」と懸念を示す。

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