V候補の智弁学園が春夏連続8強入り Wエースの右腕・小畠が無四球完投

完投した小畠

第12日第1試合は智弁学園(奈良)が日本航空(山梨)に7―1と完勝し、春夏連続でベスト8進出を決めた。

今大会初先発の小畠(3年)は初回こそ走者をためて内野ゴロの間に1点を先制されたが、2回以降はリズムを取り戻し、最後まで完ぺきに抑え込んだ。バデルナ(3年)を打ちあぐねた打線も6回に無死満塁から併殺打の間に同点、相手エラーで逆転に成功。9回には前川(3年)に2試合連続の2ランが飛び出し、日本航空を圧倒した。

小畠は尻上がりに調子をあげた。2回から7回まで無安打に抑えるなど、終わってみれば9回を96球、わずか3安打で1失点、8奪三振、無四球の完投だ。185センチの長身右腕は「四球を出さなければ球数も多くならない。序盤にしんどい展開になったが、しっかり投げようと思った。西村が1、2回戦といい投球をしていたんで負けへんようにと思った」と相好を崩した。

左右の2枚看板のもう1人のエース・西村(3年)が2試合で先発、小畠はリリーフに回った。切磋琢磨してきた西村の好投に刺激を受け、まっさらのマウンドで投げ切った。この日も相手打者の特徴、審判のストライクゾーンなどを2人で話し、9回のマウンドに向かう前には「最後のイニングなんでギアをあげて3つアウト取って来い」と声をかけられ、三者凡退で締めた。

小坂監督も「素晴らしいの一言。右のエースがしっかりやってくれた。センバツの広島新庄戦からナイスピッチングだったし、そこから安心して見ている」と手放しで祝福。小畠は「ここからは連戦にななるので全員が束になることが大事。1つになる」と気を引き締めた。

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