【夏の甲子園】あと1人で力尽きた…長崎商が69年ぶりベスト8逃す 西口監督「選手たちをほめたい」

逆転サヨナラ負けでベスト8進出を逃した長崎商

勝利目前で力尽きた。第103回全国高校野球選手権大会の第12日は25日、甲子園球場で3回戦が行われ、第3試合で長崎商(長崎)が神戸国際大付(兵庫)に延長戦の末に5―6で逆転サヨナラ負け。69年ぶりのベスト8進出は果たせなかった。

勝利まで、あと1人だった。1点リードの10回裏、二死二、三塁のピンチを迎え、背番号1の右腕・城戸(3年)が相手の4番・西川に2点サヨナラ打を浴びた。先発し5回途中までを投げ、終盤でも再びマウンドに立ったエースは同点で迎えた代わりばなの9回裏に一死満塁の大ピンチをしのぐ力投を見せていたが、最後は痛烈な打球を左前へ運ばれて涙を飲んだ。

それでも粘り強さが真骨頂の「長商野球」はこの日も健在だった。2点を追う8回、リードオフマン・大坪(2年)の適時打と相手失策で同点に追いついた。さらに10回にも再び大坪が二死二塁から勝ち越しの適時三塁打。持ち前の脅威的な粘りを発揮したものの、わずかに一歩及ばなかった。

試合後の西口博之監督は「県大会からずっと最後まで諦めずに粘りの野球をやってきた。土壇場になっても諦めず前を向いている選手たちを見て頼もしく感じた。ほめてあげたい」と振り返り、悔しい敗戦にも納得の表情だった。一方、エースの城戸も「1試合1試合、強くなっていけたと思う。これまで目標にしてきた場所にも立てた。これからの人生に生かしたい」と前向きに語った。

長崎商が3回戦で敗れ、今大会で九州勢はすべて姿を消した。

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