【夏の甲子園】智弁学園が逆転サヨナラで4強 小坂監督「粘り強く戦ったのが良かった」

サヨナラ適時打を放つ智弁学園・岡島

劇的勝利をつかんだ。第103回全国高校野球選手権(甲子園)は26日に13日目を迎え、智弁学園(奈良)が明徳義塾(高知)にサヨナラ勝ち。26年ぶり2度目の4強入りを果たした。

ドラマチックな幕切れが待っていた。1点を追う9回裏、先頭の1番・垪和(3年)が相手のバントシフトの裏をかくバスターを鮮やかに決めて左前打で出塁。さらに連打と死球で無死満塁の好機を作ると、主将の4番・山下(3年)が2者連続の死球を浴びて押し出しとなり、土壇場で同点に追いついた。そして打席に立った5番・岡島(3年)の詰まった当たりが相手右翼手の前に落ち、熱闘に終止符を打った。

試合後の岡島は自身初のサヨナラ打に「落ちてくれという気持ちだけだった。『お前が決めろ』と言われていたので、うれしい」と笑み。小坂将商監督も「苦しんできたので最後の最終回で逆転できたので良かった」と胸をなで下ろした。8回まで相手先発の変則左腕・吉村(2年)に2安打と苦しめられたが、最後に攻略して引っ繰り返した。

夏の甲子園では2014年8月15日の1回戦以来となる明徳義塾戦。この時は敵将・馬淵監督の前に4―10で屈し、辛酸をなめていた。7年越しのリベンジを果たした格好の小坂監督は「(明徳義塾は)粘り強く、しつこく、いやらしく(野球を)やられると思うが、ウチが今日はそういうつもりで乗り込んできた。粘り強く戦ったのが良かったんじゃないかなと思う」と言葉に力を込めた。

28日の準決勝では京都国際(京都)と対戦する。指揮官は「次は5つ目の壁。しっかり倒して決勝に行きたい」と気持ちを切り替えていた。

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