【東京パラリンピック】実家トレの成果だ 競泳・富田が銀メダル「みなさんへの感謝でいっぱい」 

銀メダルを獲得した富田宇宙(ロイター)

東京パラリンピック・競泳競技(26日、東京アクアティクスセンター)、男子400メートル自由形(S11)決勝が行われ、富田宇宙(32=日体大大学院)が4分31秒69の好記録をマークし、銀メダルを獲得した。

熊本県出身の富田は、3歳から水泳を始めたが、高校2年時に進行性の難病「網膜色素変性症」を発症。高校卒業後にいったん競技から離れたものの、大学卒業後に再開した。新型コロナウイルス禍の影響で東京大会の延期が決まった際には、実家の庭にビニールプールを用意。体にチューブを巻いて負荷をかけながら泳ぎ込むなど、プールが使えない時期もさまざまな工夫を重ねてきた。

決勝のレースでは、その成果を十二分に発揮した。前半200メートルを自己ベストから1秒半以上速いペースとなる2分12秒54で通過。後半もペースを落とすことなく、アジア新記録でフィニッシュ。「本当にこれまで支えてきてくださったみなさんへの感謝でいっぱいです。他の選手たちも力があって、すごく接戦になるだろうなと思っていたので、とにかくメダルを獲得したいという一心で泳ぎました」と振り返った。

大会前には「みなさんに見たいと思ってもらえるようなレースを」と語っていた富田。まさに人々に感動を届ける素晴らしい泳ぎを披露した。

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