若手伸び悩みで最下位低迷… 日本ハムは新球場開場までに再建できるか

栗山監督の見つめる先は…

新たな拠点作りは着々と進んでいるようだが…。パ・リーグ最下位に沈む日本ハムが一向に浮上する気配を見せていない。

今季は開幕直後から投打がかみ合わず低迷。4月18日以降は上位争いどころか一度も5位にすら上がれない惨状が続く。今月20日には同僚への暴行で無期限謹慎処分だったチームの主砲・中田翔内野手(32)が巨人へ移籍。戦力ダウンは否めないとはいえ、今月13日から再開されたシーズン後半戦は計10試合でわずか2勝。もはや他チームへの白星供給源になりつつある。

再来年の23年には北海道・北広島市に新球場がオープン予定。地元では着々と建設工事も進んでいる。本来であれば今年あたりから新球場開場に合わせ球団一丸となってチーム強化に乗り出してもいいはずだが、その雰囲気すら感じられない。

地元メディアの一人はこの現状に「今季は他チームに比べ戦力が劣っていたのが明らかだったのでこの成績も予想できましたが…」と前置きしながらこう嘆く。

「若手の伸び悩みが想像以上だったのが低迷の要因でしょう。日本ハムはこれまでドラフト上位で逸材を獲得。中心選手に育て上げることで毎年のようにチームを活気づけてきた。中田やメジャーで活躍中のダルビッシュ、大谷、有原らはその好例です。でも、ここ数年は清宮や吉田輝ら期待の若手が一軍で活躍できていない。このままでは新球場ができても盛り上がりに欠ける。その前までには何とかしてほしいと願っているんですけどね」

先日行われた東京五輪ではルーキーの伊藤大海投手(23)が活躍し、日本の金メダル獲得に貢献した。プロ3年目の野村も主力に成長しつつある。それでも将来を担う中心が2人だけでは現在の低迷脱出は困難だろう。

残暑どころか一足早く秋風の気配を感じる日本ハム。果たして新球場開場までにチーム再建はかなうのか。

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