【キーンランドC】3歳牝馬レイハリアが重賞連勝 明暗を分けたメイケイエールとの〝やりとり〟

古馬を撃破し4連勝を決めたレイハリア

スプリント戦での巻き返しを図ったメイケイエールに注目が集まった札幌のGⅢキーンランドC(3歳上、芝1200メートル=サマースプリントシリーズ第5戦)は、同じ3歳牝馬のレイハリア(田島)がV。4連勝で前走・葵Sに続く重賞2勝目を獲得した。明暗を分けた同世代の“明”の要因は何だったのか?

3戦続けてのコンビでオール1着。抜群の相性でパートナーを重賞連勝に導いた亀田は「最後はガムシャラに追いました。(ゴールした後)勝っているか分からなかったけど、池添さんから“勝ってるぞ”と言われうれしさがこみ上げてきました」とクールな表情で喜びをかみしめた。

レースを振り返ろう。レイハリアは一番いいスタートから先頭に立ったものの、スイッチが入ったメイケイエールが“接近”。想定内とばかりにこれをすんなり行かせて2、3番手に控える形を取った。3角手前では早めに外から踏んできたカイザーメランジェにかぶせられてやや反応が鈍くなったが、直線でスペースが開いたところを伸び、先頭でゴールを駆け抜けた。

「斤量(51キロ)も軽く、枠もいいところに入ったと思っていました。レース前からメイケイエールが来たら、番手からでもいいとは思っていました。壁をつくられてスムーズに外に出せなかったけど、直線では前が開いてからもうひと伸びしてくれました」と亀田。自身2度目の重賞をともに勝ち取った最愛の相棒に「賞金も加算でき、この先の選択肢が広がりますね」と期待を寄せた。

田島調教師が勝利のキーポイントに挙げたのはメイケイとの“やりとり”の部分だ。「メイケイエールがグッと来たけど、惑わされずに自分のペースで行ってくれたのが良かった。最後は後ろにかわされるかとも思ったけどしっかりと頑張ってくれました。焦らずにレースを運んでくれたし、相性がいいですね」と鞍上の判断を褒めた。

馬については「斤量が軽かったのもありましたが、レイハリアらしい思い描いた競馬ができた。2歳冬は弱いところもあったけど、体質がしっかりとして成長曲線に乗ってきたと思います」と着実なパワーアップに目を細めた。

これで今年、3歳牝馬が古馬混合重賞を制覇したのは、GⅢアイビスSD(オールアットワンス)、GⅡ札幌記念(ソダシ)、GⅢ北九州記念(ヨカヨカ)に続いて実に4頭目だが、決して“風”に乗っただけではない。初対戦で古馬を撃破した馬の力と、様々なレースパターンを想定して慌てず対処した鞍上の亀田の対応力があってこその快勝劇だ。人馬ともに若く、まだまだ伸びシロも十分とあれば…ダノンスマッシュをはじめとする古馬GⅠ級を相手にしても、大きな仕事をやってのけるかもしれない。

© 株式会社東京スポーツ新聞社