【新潟2歳S】馬匠渡辺「レースレベルそのものもAランクに評価していい」

【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」新潟2歳S】

柏木 ここ数年は後の重賞路線との結びつきが希薄で出走頭数まで少なくなっていましたが、今年は攻め馬の動きから素質を感じる馬が結構いました。

渡辺 それを裏付けるように、時計も前日の古馬3勝クラスより0秒1速い。レースレベルそのものもこれまでの新潟2歳Sの中ではAランクに評価していいな。

柏木 はい。1分33秒8はこのコースになってから史上3位タイの好時計ですからね。その中で勝ったセリフォスはバランス取れた好馬体で、キャリア1戦の2歳馬とは思えない落ち着き満点の気配でした。

渡辺 レースでも自在に立ち回れて、上がりもメンバー最速の32秒8だから決め手も光った。

柏木 ダイワメジャー産駒の平地重賞勝ちはもう40勝近いのに、カレンブラックヒルが制した1800メートル重賞2戦(毎日王冠&小倉大賞典)以外は全てマイル以下。セリフォスは母父が仏ダービー馬のルアーヴルですから早熟なスピード型でもなく、2000メートルぐらいまで大丈夫そうに思えますが…父の距離適性が極端なだけに距離延長はカギになりそうです。

渡辺 長くいい脚を使うタイプだし、俺は距離延長も問題なくこなせると思う。

柏木 1番人気のアライバルが最後に突っ込んで2着。こちらは逆に時計勝負のマイル戦向きではないことを示す結果でした。

渡辺 地力で何とか2着を確保したが、柏木君の言う通りで中距離の方がいいな。それとプラス8キロはともかくとして、調教の動きから反応が物足りなかったし、それが道中の反応の鈍さにも表れていた。

柏木 馬体の迫力ももう一歩に見えましたし、本領発揮はもう少し距離が延びてからでしょう。そういう意味では勝ち馬と互角以上の将来性を感じます。

渡辺 3着のオタルエバーは前半60秒2で道中のペースは厳しくはなかったが、逃げ馬ならではの目標にされる不利があった。

柏木 スタート後にちょっとカッカして行きたがったのもスタミナ切れの要因でしょう。折り合って差す競馬を覚える必要があるかもしれないですね。

渡辺 そうだな。稽古でもいい動きをする馬だし、脚質転換でモデルチェンジしたら前進がありそう。それと5着のスタニングローズは直線勝負で結果的に今日の(前有利の)流れに逆らった形にはなったが、2位の上がりをマークしてアライバルとは0秒3差。牝馬の中ではAクラスに育っていく可能性も十分だけに今後も注目したいな。

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