韓国著名教授が「日本人留学生ヘイト事件」を強く批判 「極右の狂気が大学にも押し寄せている」

韓国の地方紙に、「嫌日」を批判する大学教授の記事が掲載された。

京畿新聞は30日、著名論客でもあるキム・ドンギュ東明大学教授のコラム『日本人教え子の話』を掲載。大学内で起こった日本人留学生へのヘイト事件に触れ、強い憤りを示した。

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キム教授によると、事件は数カ月前に起きたとされる。昨年から東明大学(釜山)に留学に来た日本人女学生Aさんが、ある日の午前に休憩室の椅子に座り、日本の友達へのメール文を打っていたところ、隣の席でその姿を見守っていた女子一人が悪態をつき、「日本の女...」がどうこうと言い、Aさんは言葉を返せなかったという。

キム教授によると、Aさんは韓国語評価が最高等級にあり、発音以外はほぼ完ぺきな韓国語を駆使するとのこと。研究室で面談をしたところ、顔色が優れないことから尋ねたところ、上記事実を打ち明けられたという。相手がどのような人物かを尋ねたところ、初めてみる学生だったとAさんは答えた。再度会うことがあれば、必ず自分に知らせるようキム教授は話し、自治会などに知らせ特別教育などの対応を促しという。

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キム教授は、この事件への強い怒りを表しており、「どの国にも獣のような者がいる」とし、日本にも韓国人を差別する極右がいる一方で、韓国でも、人種や国、民族、言語の表面だけを見て悪い言動をする部類がいると強調。「20歳を超えた大学生が、自国に勉強しに訪れた外国人に、このような行動をするようまで歪んでいるとは」と嘆いた。

キム教授は、フランツ・ファノンやエドワード・サイードを引用し、人種差別は、「自分の劣等感を投影して、文化的、道徳的、存在的優越感を高めるために、常に他者(the other)の排除と偏見を構築する」と指摘。

続けて、「ここ数年の間、日韓関係が大きく悪化したのは事実だ」としつつ、「いくら対日関係が悪化したとしても、その国家体制と存在としての人間は、分離されるべきである」と述べ、ヘイト行動をした者は外国の右翼勢力を批判する資格がないと追及した。

キム教授は、「人種偏見はもちろん、階級的背景、さらに地域均衡選抜のような入学経路もあり、同じ学校の中でも差別と排除の悪行が試みられている噂が以前から広まっている」とし、「最小限の常識や人間愛さえ踏みにじる極右の狂気が大学にも徐々に押し寄せている」と警鐘を鳴らした。

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