アプリリアのA.エスパルガロ「成長は並大抵のものではない。証明するために表彰台が必要だった」/MotoGP第12戦イギリスGP

 8月29日、2021年MotoGP第12戦イギリスGP MotoGPクラスの決勝がシルバーストン・サーキットで行われ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)は3位を獲得し、アプリリアにMotoGPクラス初表彰台をもたらした。

 アプリリアはロードレース世界選手権では125ccクラス、250ccクラスで多くの勝利を飾り何度もチャンピオンに輝いている。しかし、最高峰クラスで最後に表彰台を獲得したのはドニントン・パーク・サーキットで開催された2000年第9戦イギリスGPの500ccクラスだった。

2021年MotoGP第12戦イギリスGP アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)

 その後、2002年から2006年までは、マシンが2ストローク500cc以下、4ストローク990cc以下のレギュレーションでMotoGPクラスへと名称が変更される。アプリリアは2002年から3気筒990ccのRS3 CUBEで参戦したが2004年に活動を終了した。

 1000ccマシンとなった2012年には、ワークスではないがクレーミング・ルール・チーム(CRT)でART(Aprilia Racing Technology)として参戦し2015年まで続けている。

アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)/2021MotoGP第12戦イギリスGP

 そして2015年からはV型4気筒エンジンを搭載した現行のRS-GPを開発して、グレシーニ・レーシングとともに『アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ』としてMotoGPに参戦している。

 復帰後はマルコ・メランドリ、アルバロ・バウティスタ、ステファン・ブラドル、サム・ローズ、スコット・レディング、アンドレア・イアンノーネ、ブラッドリー・スミス、ロレンツォ・サバドーリなどがアプリリアRS-GPで戦ったが、ポールポジションや表彰台には届かなかった。

 ところが、今季はアレイシ・エスパルガロが第8戦ドイツGPの予選で1列目3番グリッドを獲得。そして第12戦イギリスGPで3位に入り、アプリリアにMotoGPクラス初表彰台をもたらした。

【レースフォーカス】アプリリアに21年ぶりの表彰台をもたらしたA.エスパルガロと、その進化/MotoGP第12戦イギリスGP

 アレイシ・エスパルガロ自身もNGM Forward Racingから参戦していた2014年以来の表彰台獲得となった。

3位表彰台を獲得したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)/2021MotoGP第12戦イギリスGP

 アレイシ・エスパルガロは「(優勝まで)あと一歩のところまで来た。何度も(表彰台に)近いところまで行ったが、ついに実現した。懸命に取り組んで手に入れた表彰台だからこそ、何よりもまず、アプリリアに捧げるよ」とレース後に語った。

「この数年間、チームは常に最大限の努力をしてきた。困難な時期を一緒に乗り越えてきて、今その成果を手にすることができた。表彰台の上では、ファウスト(・グレシーニ)や自分の家族、そして身近な人たちのことを考えていた」

「ここ2年間の僕たちの成長は並大抵のものではない。あらゆる面で向上してきたが、自分たちがやってきたことを証明するためには表彰台が必要だった」

「今日はチャンスがあるとわかっていた。すべてのセッションでパフォーマンスを積み上げ、今朝のウォームアップ走行でも良い感触を得ることができた」

「スタート時にはタイヤの選択に迷いがあったが、最終的には正解だった。ある時点でいくつかのポジションを失ったが、ファビオに抜かれて差を広げられた以外は、挽回することができた」

「フィナーレではフロントに少し苦労したが、それを補うトラクションが良かったので、ブレーキングセクションでジャック(・ミラー)と戦わず、ラインをクロスさせて加速を利用することにした」

「今はお祝いをして、すぐに集中力を取り戻す必要がある。これからも競争力のあるレースが続く。1回の表彰台だけでは幸せになれない。もっとたくさんほしいね」

アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)/2021MotoGP第12戦イギリスGP

 また、2022年はグレシーニ・レーシングがドゥカティのマシンを使用するため、アプリリアはファクトリー体制でエントリーする。来季はアレイシ・エスパルガロとマーベリック・ビニャーレスで戦うが、今季の終盤戦、そして来季以降もアプリリアの表彰台が見られるだろうか。

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