東・西日本は長期間にわたる大雨 北日本は高温少雨 2021年夏の天候まとめ

2021年 夏(6月〜8月)の天候まとめ 出典=気象庁HP

 気象庁は1日、この夏(6月~8月)の天候まとめを発表した。
 7月上旬の梅雨前線による大雨や、8月中旬を中心に本州付近に停滞した前線の大雨で、東日本の太平洋側と西日本で降水量がかなり多くなった。

 北日本は7月後半を中心に太平洋高気圧に覆われ、その前後も高気圧に覆われやすかったため、夏の日照時間はかなり多く、気温はかなり高く、日本海側の降水量はかなり少なかった。

 沖縄・奄美では、7月の終わりに台風第6号が沖縄付近をゆっくり進んだのをはじめ、熱帯低気圧や台風の影響をたびたび受けたため、夏の降水量は多く、日照時間は少なくなった。

梅雨入り・明け

 梅雨入りは、九州南部、九州北部、四国、中国でかなり早く、沖縄・奄美で早かった。九州北部と四国の梅雨入りは、1951年の統計開始以降最も早かった。一方、関東甲信地方でかなり遅く、近畿、東海、東北南部、東北北部で遅かった。梅雨明けは、沖縄でかなり遅く、奄美で遅かった。一方、九州南部、九州北部、中国、近畿、北陸、東北南部、東北北部で早かった。
 梅雨の時期の降水量(6~7月、沖縄・奄美は5~6月)は、九州北部と東北北部でかなり少なく、四国と東北南部で少なかった。一方、沖縄・奄美、中国、東海、関東甲信で多かった。

月別の天候

■6月 全国的に高温
 全国的に気温が高く、特に北日本でかなり高くなった。北・東・西日本は降水量が少なく日照時間が多い地方が多かったが、沖縄・奄美の降水量はかなり多く日照時間はかなり少なかった。

■7月 東日本で土砂災害
 北日本は気温が高く、降水量がかなり少なかった。一方、東日本の太平洋側は7月上旬に梅雨前線の影響で大雨となり、降水量がかなり多く、土砂災害等の被害が発生した所もあった。

■8月 記録的大雨
 11日(水)~19日(木)に前線や湿った空気の影響で西・東日本の広い範囲で大雨となり、総降水量が多い所で1200ミリを超える記録的な大雨となった。12日(木)は九州北部で、13日(金)は中国地方で線状降水帯が発生し、気象庁は広島県広島市を対象とした大雨特別警報を発表した。14日(土)は九州北部で線状降水帯による猛烈な雨が降り、佐賀県嬉野市で24時間降水量555.5ミリを観測するなど記録的な大雨となった。この大雨に対して、気象庁は佐賀県、長崎県、福岡県、広島県を対象とした大雨特別警報を発表した。
 各地で断続的に大雨となったため、東日本の太平洋側と西日本の月降水量はかなり多く、西日本の日本海側、西日本の太平洋側の月降水量平年比は、それぞれ371%、297%で、8月として1946 年の統計開始以降1位の多雨となった。

■夏(6~8月)の平均気温 高い方からの1位を更新した地点
 羽幌 20.3℃(平年差+1.6℃)
 留萌 20.3℃(平年差+1.7℃)
 旭川 21.7℃(平年差+2.1℃
 小樽 21.1℃(平年差+1.8℃)
 小名浜 23.3℃(平年差+1.3℃)

■夏(6~8月)の降水量 多い方から1位を更新した地点
 松江 1155.5ミリ(平年比215%)
 境  1212.5ミリ(平年比236%)

■夏(6~8月)の降水量 少ない方から1位を更新した地点
 稚内 70.5ミリ(平年比24%)
 羽幌 119.5ミリ(平年比36%)
 留萌 87.5ミリ(平年比29%)
 旭川 107.5ミリ(平年比30%)

■夏(6~8月)の日照時間 多い方から1位を更新した地点
 稚内 675.2時間(平年比151%)
 小樽 693.7時間(平年比138%)
 札幌 733.4時間(平年比142%)
 岩見沢 667.1時間(平年比137%)
 倶知安 623.9時間(平年比135%)
 紋別 630.9時間(平年比142%)

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