平戸地域での「貨客混載」 年度内の実証運行目指す 第1回検討会

平戸市一帯での貨客混載実証運行実施に向け論議した検討会=平戸市役所

 平戸地域貨客混載検討会の第1回会合が1日、平戸市役所であり、同市内一帯で営業する交通業者5社と宅配業者3社、同市の代表者、学識経験者が同市での貨客混載実証運行実施に向けた論議を開始。当初は平戸港一帯、田平、生月両地区、離島の度島と的山大島を対象に、準備が整ったルートで順次、本年度中の実証運行を目指す。
 貨客混載は、利用客が少ない時間帯の公共交通機関について車両・船舶を貨物の運搬に利用することで路線維持を図り、宅配業者の配送効率化やコスト縮減、運転手の労働環境改善などを目指す。交通、宅配業者による協議が一般的だが、複数の事業者が参加し、自治体が加わって運行ダイヤ調整などを担うのは異例。総合建設コンサルタント、日本工営(東京)と平戸市が、交通5社と宅配大手3社に貨客混載実証実験を提案した。
 初会合では、九州各地の貨客混載先行事例で枠組み構築を主導した九州工業大大学院の吉武哲信教授を会長に選出した。事務局の日本工営担当者が公共交通路線の利用状況などの現状を説明。事前の聞き取りで各社から出された問題点や前提条件を報告した。
 吉武教授は実証運行実施に向けた参加社と市の意志を確認。各社は「人口減少地域の物流インフラには課題を抱えている。解決につながるのであれば、チャレンジしたい」などと前向きな姿勢を示した。
 検討会は実施に向け、各社が挙げた課題の解決策、平戸地域内の貨物取扱量調査結果を事務局でまとめ、10月末までに第2回会合を開く予定。

© 株式会社長崎新聞社