ドジャース・シャーザーは出塁率.000 残り試合で初出塁なるか

マックス・シャーザーはドジャース移籍後の6試合で4勝0敗、防御率1.29という素晴らしい活躍を見せ、ドジャースが地区首位の座を取り戻す立役者の1人となっている。しかし、シャーザーの今季の成績を眺めていると、あることに気がつく。打率、出塁率、長打率、OPSのいわゆる「スラッシュライン」の数字がすべて.000なのだ。もしシャーザーがこのまま出塁率.000でシーズンを終えれば、出塁率.000の選手によるシーズン最多打席数のワースト記録を更新することになる。

今季のシャーザーはナショナルズとドジャースで合計50回打席に立ち、47打数0安打、0四球、0死球、2犠打、1犠飛、20三振という打撃成績を残している。安打、四球、死球がすべて0のため、もちろん出塁率は.000である。メジャーリーグの過去の記録をさかのぼってみると、出塁率.000の選手によるシーズン最多打席数のワースト記録は、2016年に陳偉殷(チェン・ウェイン)が記録した49打席であり、現時点で50打席のシャーザーはすでにチェンの記録を上回っている。

シャーザーは昨季終了時点で通算打率.193、出塁率.221を記録しており、極端に打撃が苦手な投手というわけではなかった。昨季は新型コロナウイルスのパンデミックの影響により両リーグでDH制が採用され、投手は打席に立つ機会がなかったが、シャーザーのようなベテラン投手にはこの1年のブランクが大きく影響しているのかもしれない。メジャーリーグ公式サイトのトム・タンゴは、シャーザーの通算打撃成績がシャーザーの実力を表していると仮定した場合、シャーザーが出塁率.000のまま1シーズンを終える可能性を「500万分の1」と算出しているが、レギュラーシーズン残り1ヶ月となった時点で、その「500万分の1」が実現する可能性が残されているのだ。

メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンによると、「シャーザーはストライクゾーンを熟知し、ボール球をあまり追いかけない」、「三振率が投手の平均よりも低く、多くの打席で打球をインプレーにしている」、「ヒットになるはずの打球が数本アウトになっている」など、シャーザーの初出塁を期待するうえでポジティブなデータもあるという。レギュラーシーズン残り1ヶ月でシャーザーが出塁率に0以外の数字を刻むことができるか注目したい。

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