巨人・中田翔の二軍落ち秒読みか 原監督の直接指導でも効果出ず…打率1割台

凡打に落胆する巨人・中田

逆境をハネ返せるか――。巨人は3日の2位・阪神との直接対決(甲子園)に3―7で敗れ、引き分けを挟む連勝が3でストップした。わずかな勝率差で辛うじて首位をキープしているが、混戦を抜け出すには4日からの連勝が不可欠となる。そんな中で波に乗り切れていない一人が中田翔内野手(32)だ。巨人加入後もなかなか結果が伴わず、二軍降格の足音も忍び寄り始めている。

悪夢のような7回だった。先発した戸郷は5回まで完全投球だったが、6回に1点を返されて7回に3―3の同点に追いつかれたところで降板。代打攻勢を強めた阪神にワンポイント継投で対抗したが、4番手の大江が二死満塁から中野に走者一掃の3点適時三塁打を浴び、この回一挙5失点で大勢が決した。試合後、原辰徳監督(63)は6敗目(8勝)を喫した戸郷に「あそこは投げ切ってほしいね。何とか7回をね」と注文をつけた。

首位こそ堅持したが、その差はあってないようなもの。巨人は勝率5割7分8厘で、阪神を2厘差で上回るだけだ。セの覇権争いは激化する一方だが、気がかりなのは電撃トレードで加入した中田の状態だ。この日は打順を5番から初めて6番に下げて先発出場し、2打数無安打。6回の第3打席で四球を選び、代走を送られた。これで巨人移籍後の成績は、出場11試合で打率1割4分3厘(28打数4安打)、1本塁打、2打点となった。

その中田に、首脳陣はこの日の試合前練習で再生に乗り出した。原監督は自らノックバットを手にし、身ぶり手ぶりを交えて直接指導。石井野手総合コーチも付きっきりで指導に当たった。中田も熱心に耳を傾けてバットを振り込んだが、即座に期待に応えることはできなかった。さらに、指揮官の直接指導と打順降格は、二軍落ちへのサインの一つと見る向きもある。

「原監督は選手を復調させるために最善を尽くす。立ち直るきっかけとチャンスを与えた上で結果を出せなければ、ファームで再調整させる。すべてはチームが勝つため。そこに私情を挟むことはない」(古参の球団関係者)

大塚球団副代表も中田の移籍時に「原監督は勝負に対して厳しい。特別扱いを絶対にしない人」と語っていた。もちろん、二軍に入れ替えるべき選手がいるかなどのチーム事情もあるが、何よりも求められるのは結果だ。

1日に熱心に指導した重信が結果を残せず、この日登録抹消となったばかり。果たして中田は新天地で復活のノロシを上げられるのか。

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